《テイルと仲間達、ドイツへ》
事務総長が息を飲み込み終わる瞬間を待って、テイルが質問を行った。
「私達がいきなり押し掛けても、ドイツ軍の皆さんは動揺せずに私達を受け入れてくれるでしょうか?」
「……それは私にもわかりません。しかしそうなると事前にドイツ軍に連絡した方が良さそうですね」
「そうでしょうね。ちなみに事務総長、その連絡役、事務総長にお願いしても大丈夫なのでしょうか?」
テイルはこう言って可愛らしく小首を傾げる。
これに事務総長が苦笑いしながら了解していき、その発言を聞いたテイルが次の質問をしていった。
「はい、大丈夫ですよ、テイル陛下」
「おお、ありがとうございます事務総長。そうなると我々はすぐにドイツへ向かっても大丈夫なのでしょうか?」
「……そうですね、その方がドイツ軍も喜んでくれるでしょうし」
「わかりました。それでは事務総長、私達はすぐに出発の準備を始めようと思うのですが、あとのことはすべてお任せしても大丈夫ですか?」
このテイルの質問に事務総長が考える間もなく了承し、その言葉を聞いたテイルがアーシア達にドイツ行きの準備をするように伝える。
「はい、大丈夫です。なにも問題ありませんよ、テイル陛下」
「了解です。それではお任せしますね、事務総長。皆!」
「はい!」
「すぐにドイツに向かう準備をするわよ! 急いで!」
「了解!」
テイルの号令に勢い良く返事をしたアーシア達が準備のために部屋を出ていく。
それに続いて残っていたライトを連れてテイルも部屋を出ていこうとしたところで事務総長が話し掛けてきた。
「あ、テイル陛下、ライト殿下、申し訳ありません、そしてありがとうございます」
「うん? 事務総長?」
「突然どうしたんですか?」
「いえ、結果的に我々のわがままを押し付けることになってしまい、それを快く引き受けてくださったので、つい……」
「そういうことですか。別に気にしないでくれて大丈夫ですよ」
「そうそう。私達もNATO本部とドイツ軍に恩を売れる、ぐらいのことは考えてるんですから」
「……そ、そうですか。それなら良いのですが……」
テイルとライトの返事を聞いて乾いた笑い声をあげながらそのように口にした事務総長に、テイルが悪い顔で笑いながらこれからの計画を伝えていく。
「あ、今それなら良いって言いましたね?」
「……え?」
「それでしたら私達になにか困ったことが起きた時に問答無用で頼らせてもらいますからね?」
「はあ、まあ……そのぐらいならなんとかできるとは思いますが……」
テイルの計画を聞かされた事務総長が困惑しながら了解していった。
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