《ドイツ軍と反政府武装勢力の情報》
自身を除く全員からイングランド行きを却下されたライトが不貞腐れて議論に参加しなくなったところで、テイルが事務総長になぜイングランド行きに賛成しなかったのかを尋ねていった。
「妹にキツい一言をお見舞いしてくださり、大変ありがとうございます、事務総長」
「いえ、お礼を言われるようなことはしていませんよ、テイル陛下」
「そうですか? まあ事務総長にそう話していただけるのなら私も気が楽なのですが」
「陛下にそう言っていただけると、こちらも気が楽になりますよ、陛下」
「そうですか。ではそれはそれとして、事務総長がイングランド行きに賛成しなかった理由を、私達にお教え願えますか?」
「もちろんです、陛下。我々が陛下や皆さんのイングランド行きに賛成しなかった理由は、イングランドは当然としてイングランドの近隣諸国にもケイン閣下がフェリアシティ王国とは良好な関係を築いていかなければいけない、と強くお勧めしているからですね」
「なるほど、ケイン閣下がイングランド周辺を説得している担当してくれているから、その間に私達は別の国との友好関係を深めるべきだ、事務総長はこのように考えているのですね?」
「その通りです、陛下」
テイルは事務総長達の答えを聞くと数回頷いたあとで、ドイツ軍の反政府武装勢力掃討作戦の状況を尋ねていく。
「ありがとうございます、事務総長。それでは続いてドイツ軍の状況についてお教え願いたいのですが、こちらも大丈夫でしょうか?」
「ええ、問題ありません。ただし我々が知っている範囲の情報にはなりますが」
「それで大丈夫です。ですからすぐにお願いします」
事務総長の出した条件のようなものを受け入れたテイルに、事務総長がドイツ軍の情報を話していった。
「わかりました。まず反政府武装勢力の情報ですが、構成人員数約五千名、所持しているマシンアーマノイドが第一世代機を中心に約千機というかなり大きな規模になっています」
「第一世代機が中心とはいえマシンアーマノイドが約千機ですか、これは甘く見て戦うと痛い目を見る可能性がありますね」
「はい。ですからドイツ軍もこの数ヶ月慎重に準備を進めてきたのです」
「なるほど……ですがそれだとひとつ気になることができるのですが、これについてお尋ねしてもよろしいでしょうか?」
このテイルの発言を聞いた事務総長が、内心では難しい表情をしながらテイルの質問を受け入れる。
「もちろんです、陛下。先ほども話しましたが、知っている範囲で答えると約束しましたからね」
「ありがとうございます。それでは質問します」
テイルの宣言に事務総長が息を飲んだ。
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