《アメリカへの帰還》
いきなりロシアから飛び去る選択をしたテイルに、アーシア達も慌ててあとを追っていく。
「へ!? ちょっとテイル、待って!?」
「あー……行っちまった……」
「私達もすぐに行きましょう」
「そうですね。もたもたしていたらマスターテイルの話した通り、ロシア軍が来ます」
「……仕方ない、ジャンもそれで良いわね?」
「アーシアの話した通りに仕方ないからな。すぐに逃げよう」
「オッケー! それじゃ行くよ!」
「ああ!」
「はい!」
「はい」
アーシアの号令でテイルのあとを追ってロシアから飛び立っていったアーシア達。
そのあとはわざと速度を落として飛んでいたテイルにアーシア達が合流し、合流できたあとは普通に速度を上げてアメリカに帰っていった。
「ふぅ、なんとか全員無事に帰ってこれたわね!」
「ロシア国内でどれだけの騒動になっているかを考えたらそんな呑気なことは言っていられないと思うけどね」
「ロシア政府から正式な抗議がこないことを願うばかりだな……」
帰国早々のテイルの発言に即ツッコミを入れたアーシアに続いてこれからの不安要素を話したジャン。
そこから帰還メンバーによる話し合いが始まろうとした時、どこからともなくマヤがやって来てテイル達に声を掛けてくる。
「お戻りになられましたか、テイル様、皆様」
「あら、マヤさん? ただいまです」
「お帰りなさいませ、テイル様皆様」
「うん。それでどうしたのマヤさん? なにかあったの?」
「先ほどエスト様、ジェーン様、リューネルン様がお戻りになられましたので、そのご報告に参りました」
マヤはそう言ってテイル達のところにやってきた理由を話す。
するとマヤの発言を聞いたテイルがマヤにお礼を言いながらエスト達の話を聞きに行こうとした。
「ああ、そういうことだったのね。ありがとう、マヤさん」
「礼には及びません。それでどうなさいますか? すぐにお話を聞きに行かれますか?」
「……そうだなぁ……こっちも報告したいことができたし、すぐに話に行こうか」
「承知いたしました。それではご案内いたしますので、ついてきていただけますか?」
「了解。皆行くよ」
「はーい」
こうしてマヤの先導でエスト達がいる部屋まで案内されたテイル達。
そこでテイル達はエスト達からNATOの緊急会議で話し合われた結果を聞いていく。
「失礼いたします」
「うん? あれ、マヤさん? どうしたんだ?」
「ただいまテイル様達がお戻りになられましたので、こちらに案内して参りました」
「ああ、そういうことか。ありがとう、助かったよマヤさん」
「礼には及びません。それではテイル様、皆様、どうぞ」
「ほーい」
マヤに促され、テイル達は部屋に入っていった。
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