《テイル対身代わり人形 その六》
テイルが身代わり人形が再生するかどうかを観察していると、身代わり人形は無事(?)に再生していき、その様子を見届けたテイルがその感想を話していく。
「……やっぱり再生したか。ということは再生不可能になるまで破壊するか、完全に消滅させるかの二択になるってことだね」
「……」
このように感想を話したテイルに対し、これまで通りに無言でテイルに襲い掛かっていく身代わり人形。
そんな身代わり人形にテイルは魔法を使っての攻撃を始める。
「物理攻撃では効果が薄いというのはよくわかった。それなら魔法攻撃だとどうかな?」
「……」
「いくわよ、フルバースト!」
テイルが身代わり人形に向けて最初に発動させた魔法は、火属性最強魔法のフルバーストだった。
この一撃をまともに受けた身代わり人形は派手に吹き飛んでいき、その吹き飛んでいくところを見たテイルは上機嫌で魔法を連発していく。
「……」
「おお、良い感じにぶっ飛んだ! それに良い感じにダメージも入ってるっぽい! これならどんどん撃ち込んだ方が良いね! てなわけでフルバースト連射!!」
「……」
身代わり人形の攻略法を発見した、そう判断したテイルのフルバースト連射が次々と身代わり人形に直撃していき、徐々に跡形もなく破壊されていくようになった身代わり人形に、テイルが止めの言葉を放つ。
「かなり消滅してきたね。それじゃあそろそろ完全消滅させてあげるね。さようなら」
「……」
テイルはこう言うと、これまでに撃ち込んでいたフルバーストよりも二回り大きなフルバーストを発動させ、身代わり人形に向けて発射していく。
この巨大サイズのフルバーストが直撃した身代わり人形は文字通り跡形もなく消滅し、二度と再生してこなかった。
「やれやれ、これでようやく終わったか。手間取らせやがって……」
完全消滅した身代わり人形にこのような感想を話したテイルに対し、アーシア達が次々とツッコミをいれていく。
「手間取らせやがって、じゃないわよ」
「そうだ。どうするんだよ、このドでかいクレーターは……?」
「……どれぐらいの大きさの隕石が落ちたらこうなるのか……気になるところではあるけれど……」
「これだけの大きさだと直径10メートルの隕石が落下した時と同程度だとの計算結果が出ました、フェイト」
「……そう。ありがとうございます、テオ……」
「どういたしまして、フェイト」
ここまで言ってテイルの反応を確認するために黙ったアーシア達に、テイルがまったく違うことを話していく。
「どうするかよりも、今私達はロシアにいるんでしょ? だったら軍を派遣される前に逃げないと。行くわよ皆!」
テイルはそう言うとアーシア達の返事を待たず、アメリカに向けて飛び立っていった。
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