《フィフの実力 その三》
核爆発の衝撃を完全に受け止めきったヴォロシンスキー達にイグナイエルが感謝の言葉を伝える。
これをヴォロシンスキー達が恐縮しながら受けたあと、ヴォロシンスキー達はキャンベルの無事を確かめたりフィフがどうなったかを調べる準備を始めていく。
「……収まったか?」
「そのようです」
「まったくあの女め、エンジン部分を攻撃するなら先に話しておけってんだ」
「もう少しでここにいる全員が核爆発で吹き飛ばされるところでしたな……」
「そうならなかったのは皆の奮闘のおかげだ。礼を言うぞ、皆」
「ありがとうございます、陛下」
「もったいないお言葉です、陛下」
「……それで、あの二人はどうなったのだ?」
「……申し訳ありません、まだ煙が晴れていないので誰も把握できていません……」
「そうか……急ぎすぎてすまなかったな」
「いえ、陛下が謝られることはありません。すぐに放射線浄化装置を使用して日常生活可能なまでに放射能を除去したあと、調査を始めます」
「うむ、頼む」
こうして核爆発て撒き散らされた放射能を除去していったヴォロシンスキー達はフィフとキャンベルの姿を探していった。
「……ふぅ、これで大丈夫かな?」
「そうですね。完全に浄化できているので大丈夫ですよ」
「よし、それなら二人の捜索を始めようか?」
「わかった。私はあちらに行ってみる」
「そうか。それじゃ俺は向こうの方に探しに行くよ」
ヴォロシンスキー達はこのように話し合ってフィフとキャンベルを探していく。
そうして探し始めた一同は、あっという間にフィフを見つけた。
「あの女は……ああ、いた」
「くあ~あ、おーい、誰かいないの~?」
「ここにいるよ。それでどうだった? キャンベルと戦ってみた感想は?」
「雑魚だね。全然面白くなかった」
「……そうか。それは……残念だったな」
「マ~ジで残念だったよ。それで? その……なんだっけ? なんとかっていう奴。そいつマジで面白い相手なの?」
「テイルだな。まだよく君のことを知らないが、おそらく君の人生で最も面白い相手になると思うよ」
「ふ~ん……まあ、あまり期待せずに待ってみるか」
こうしてフィフを回収したあと、続けて数分探したところでいまだに泣いているキャンベルを見つけていった。
「向こうはあの女を発見できたか。こっちも早くキャンベルを見つけないとな。さてと、どこにいるのか……」
「……うぅ……」
「おーいキャンベル、どこだー?」
「……うぅ……」
「……うん? ああ、そこか。見つけたぞ、キャンベル」
「うぅ、隊長……」
「相手が悪かっただけたから泣くな」
「……わかりました」
泣いていたキャンベルに声を掛けたトーリアは、キャンベルを連れて帰りながら泣き止むように話し掛けた。
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