《フィフの実力 その二》
テイルと同じようにマシンアーマノイドなしでキャンベル機をボッコボコにしていくフィフにドン引きしながら驚愕するイグナイエル達。
「……おい、冗談だろ?」
「あの時、テイルとキャンベルの戦いの続きを見ているようだな……」
「……これなら、テイルもどうにかできるのでは?」
「……確かに。できることなら早い段階でテイルと戦わせて、どうなるかを見てみたいですな」
「うむ……それにしても……あれを見ているとキャンベル君げ可哀想になってくるな……」
「……キャンベル君は今どんな感じなんだろうな……」
こうして話しているイグナイエル達の一方で、テイルと戦った時と同じようにボッコボコにされているキャンベルは泣きそうになっていた。
「……う、ぐぅ、なんなんだこいつは、本当にテイルと同じぐらい強いのか……?」
「ねぇちょっとぉ、お前本当に本気で戦ってるの? 全然面白くないんだけどぉ?」
「……う、う……」
「ん? う?」
「うるせー!!!! 本気で戦ってんだよ、こっちは!!!」
「え? そうなの? ……それならもう終わらせちゃってもいいんだよね?」
「……くぅぅ……」
「まあいいか。じゃいくよー」
まるで近所に出歩くぐらいの感覚でフィフがこの戦いを終わらせる方向に考えを固める。
そうしてフィフの最後の攻撃が始まった。
「ほらほらほらほら! ちょっとは抵抗してくれないと面白くないよ?」
「……くっ、こんちくしょうがぁっ!!」
まったく手を出さずに防御しかしないキャンベル機に、フィフはパンチにキックの雨を降らせていく。
そうしてキャンベル機の防御が崩れたところで、フィフはキャンベル機の頭部に拳をめり込ませるとそのままキャンベル機を引きずり回し始めた。
それから約二十秒ほどキャンベル機を引きずり回したフィフは、引きずり回すことに飽きたかのようにキャンベル機を空中高く放り投げると止めの一撃を放っていった。
「それじゃこれで終わり~。いくよ~」
「な、なんだ!? あいつ、なにをする気だ!?」
「あ、そのマシンアーマノイドはぶっ壊れるだろうから、すぐに脱出した方がいいよー」
「な、なにっ!?」
フィフの言葉を聞いたキャンベルが、慌てて自機から飛び降りる。
その直後にフィフが全速力でキャンベル機に突進、キャンベル機のエンジン部分に突っ込んでいった。
そうしてエンジン部分を貫いた瞬間、その衝撃で動力源の核融合炉が大爆発を起こす。
その大爆発にイグナイエル達が巻き込まれないように、ヴォロシンスキーやトーリア達が複数人で魔導シールドを展開していった。
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