《フィフの実力 その一》
自身がマシンアーマノイドに搭乗したのに対し、一向にマシンアーマノイドを呼び出さないフィフにキャンベルが催促する。
「おい、こちらはマシンアーマノイドを出したんだ。お前も早くマシンアーマノイドを出せよ」
「ええ? 無茶言わないでよ、私はマシンアーマノイドを持ってないんだよ?」
「……はぁ?」
「だからこのままでいいよ。さっさと始めよう」
「……いやいや……どうしますか、隊長?」
フィフの言動に呆れたキャンベルがトーリアに助けを求める。
こうして助けを求められたトーリアだったが、トーリアはテイルもマシンアーマノイドなしでキャンベルをボコボコにしたことを引き合いに出し、今のまま戦うようにキャンベルに命じた。
「どうするもこうするもないだろう。テイルはマシンアーマノイドなしでお前をボコった。最低でも同じことができないとテイルと互角に戦うことはできん」
「……つまりこのまま戦えと?」
「そうだ」
「……わかりました」
「そういうことだ。悪く思うなよ、フィフ?」
「別にいいよ、いつものことだから。それじゃいくよ、えっと……キャンベルだっけ?」
「……ああ、そうだ」
「うい。んじゃ軽~くいじめるけど泣かないでね」
「誰が泣く……かっ!?」
フィフの言葉にキャンベルが答えようとした瞬間、フィフの姿がこの場から消え、全員が気付いた時にはフィフの姿はキャンベル機の腹部にあった。
それもキャンベル機の腹部に拳をめり込ませた状態で。
「……え? 今なにが起きた!?」
「……フィフの姿が消えたと思った時には、フィフの姿はキャンベル機の腹部に……」
「あ、あの一瞬でキャンベル機に一撃を与えたというのか!?」
自身のスピードに驚愕しているロシア帝国関係者に、フィフが話し掛ける。
「……なんか驚いてるみたいだけど、まだ始まったばっかりだからね?」
フィフはそういうとキャンベル機に攻撃を開始していった。
最初に攻撃した腹部から少し離れると、もう一度腹部に、今度は軽く蹴りを入れる。
それだけでキャンベル機は木の葉のように吹き飛んでいった。
「おいおい、まだ遊び始めたばっかだよ? もうちょっと楽しませてよ?」
「な……こいつバカな!? こいつ、テイルと同じことができるのか!?」
驚愕するキャンベルに対し、吹き飛んでいるキャンベル機を追いかけて掴んだフィフが、今度は地面に投げ飛ばして叩きつける。
そうして地面に叩きつけたキャンベル機に、フィフは上空から勢いをつけて急降下し、キャンベル機を踏みつけて地面にめり込ませていった。
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