《その名はフィフ》
イグナイエルに微笑まれたフィフだったが、フィフの方はあまり興味がなさそうな表情でイグナイエルに話し掛ける。
「あんたがイグナイエルか。まあどうでもいいけど」
「ど、どうでもいい……」
「うん、どうでもいい。それよりも化け物って言われてる奴の方が気になる。そいつなんて名前なの?」
「……我々が苦労している相手の名前は、テイル・フェリアシティという。これで良いかな?」
「ふ~ん、テイルか。まあすぐに忘れる名前になるだろうけど」
「……それはどういう理由で?」
「だって私と戦ったらあっという間に私が勝っちゃうに決まってるから! 死んだ奴の名前をいちいち覚えておくのなんかめんどくさいしぃ~」
自信満々にそう話すフィフに、話を聞いている全員が絶句していく。
そんななか、この場に参加しているトーリアが話に割り込んでいった。
「……相当な自信家のようだが、これからお前が戦うことになる相手は本物の化け物だぞ? そのことが理解できているのか?」
「うるさいなあ、じゃあどうしたら納得してくれるのさ?」
「……そうだな、おいキャンベル!」
「はっ! なんでしょうか、隊長?」
「お前、フィフと戦ってくれ」
「……はぁ、それは構いませんが、なぜ……?」
「お前はアラスカでテイルにボコられながらも無事に帰ってきただろ? だからお前とフィフが戦って互角なようならフィフはあてにはできない。フィフが勝つようなら、期待できるかもしれない。つまりはそういうことだ」
「……隊長は自分に実験台になれと言われますか?」
「そうだ。不満か?」
「いえ、これも隊長ため、喜んで実験台になりましょう」
「そうか、助かる。さてフィフ、聞いての通りだ。今からキャンベルと戦ってもらう。それでお前の実力がどの程度かを見させてもらう」
「ええ? めんどくさい。なんでそんなことしないといけないの?」
「そう言うな。できるようならキャンベルをボコボコにしてストレスを発散してくれて大丈夫だから」
「……え? あいつボコっていいの?」
「できるようならな」
「へえ、それならちょっとやる気がでてきた。あんまり早く倒れないでよ、え~と、名前なんていうの?」
「……キャンベルだ」
「わかったわかった、キャンベルね。それじゃあさっさと始めよう」
こうしてトーリアの話に食い付いてきたフィフと、トーリアに頼まれたキャンベルの戦いが始まることになる。
まずはキャンベルがマシンアーマノイド、コルセアを呼び出して搭乗し、フィフがマシンアーマノイドを呼び出すのを待っていった。
閲覧、感想、評価ポイント、ブックマーク登録、いいねありがとうございます!




