表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
多元世界戦記 ~テイル奇譚~   作者: 篠原2
第一章 外交とかつての仲間達

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

337/512

《やってきた問題児》

この日、イグナイエル達は期待半分、不安半分の気持ちで一日を過ごしていた。

というのも、フレイルから連絡があった、問題児がロシアにやってくるのが今日だからであった。


「……来ないな」


「……来ませんね……」


「本当に今日やってくるのでしょうか?」


「フレイルはそう話していたが……」


「その問題児本人がまっすぐロシアに来るかどうかまではわからない、ということでしょうか?」


「……どうやらそのようだな」


「やれやれですな」


「おまけに見た目の特徴もなにひとつ教えてもらえませんでしたからな……」


「あえばわかる、などそんな雑な話をするとあっという間に通信を終わらせましたからね……」


「まったく……雑なのは会談の最中の態度ぐらいにしてほしいものだ」


「まったくですな」


イグナイエル達がフレイルの悪口を話し合っていると、イグナイエル達の背後にゲートが現れる。

この現れたゲートをイグナイエル達が見ていると、ゲートの中からひとりの少女がゲートの外、ロシアの大地に降り立つ。


「ほ~、ここがロシアか。気になるものがなにもないところだね」


「……え?」


「……まさかこれが……」


「最強の援軍……でしょうか?」


「……お、おそらくは……」


現れた少女に困惑するイグナイエル達は、そのような会話をしながら少女を見つめる。

そうしてイグナイエル達が少女を見つめていると、少女がイグナイエル達の姿を見つけて動きを止め、声を掛けてきた。


「お、人間がいる。ってことはあんたらの誰かがイグナイエルって奴?」


「イ、イグナイエルって奴……」


「あれ? いないの? じゃあ全然関係ない奴ら?」


「……い、いや、私がイグナイエルだ。君がフレイル陛下が話していた援軍かな?」


「そうだよぉ。なんか面白そうなのがいるって聞いて来たんだけど、本当にそんな奴いるの?」


「ああ、いるぞ……それよりひとつ聞きたいことがあるんだが、聞いてもいいかな?」


「うん? なに?」


「君の名前はなんというのかな? フレイル陛下からも教えてもらっていないからわからないのだよ」


自由過ぎる少女の言動に圧倒されながらも、少女に名前を尋ねたイグナイエル。

そんなイグナイエルやロシア帝国関係者一同に対して、少女が面倒くさそうに名前を答える。


「え、自己紹介しろって? めんどいな……」


「そこをなんとか頼むよ。そうでないと我々はいつまでも君のことを君と呼ばなければいけなくなる」


「……ちっ、仕方ねぇなぁ……まあいいや、私はフィフっていうんだ。これで良いだろ?」


「フィフか。わかった、これからよろしく頼むよ、フィフ」


こうして魔界からの援軍、フィフにイグナイエルは微笑み掛けた。

閲覧、感想、評価ポイント、ブックマーク登録、いいねありがとうございます!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ