表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
多元世界戦記 ~テイル奇譚~   作者: 篠原2
第一章 外交とかつての仲間達

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

331/512

《魔王軍との交渉準備》

ヴォロシンスキーの訴えを聞いたイグナイエル皇帝はしばらく黙って考え込んでいたが、ある程度考えがまとまったらしくヴォロシンスキーの訴えに答えていった。


「……わかった、それでは交渉してみるか。足元を見られることになるかもしれんがな」


「そうなった時は断りましょう」


「そうだな、ヴォロシンスキー」


自身の返答を聞いたヴォロシンスキーの反応に、微笑みながら頷いたイグナイエル皇帝はすぐに人を呼んだ。


「すまない、誰か近くにいるか?」


「はっ。陛下、お呼びでしょうか?」


「うむ。至急魔王軍との通信回線を開いてくれないか?」


「魔界との……ですか?」


「そうだ。急いで大魔王フレイルと交渉しなければならない案件ができた」


「わかりました、大至急ご用意いたします」


こう話してイグナイエル皇帝の指示を聞き入れた従者のひとりが、魔王軍との通信会談の準備を行うために会議室を退室していく。

そうして従者が戻ってくるのを雑談をしながら待っていたイグナイエル皇帝の元に従者が戻ってくる。


「陛下、お待たせいたしました」


「いや、大丈夫だよ。それで大魔王フレイルはいつなら会談が可能だと返答してきた?」


「陛下……それが……」


「む? もしや数週間単位で難しい、等と言われたのか?」


「いえ、その逆なのです……」


「逆? ということは……」


「今すぐ会談を始めよう、先方はそのように言ってまいりました……」


従者の答えを聞いたイグナイエル皇帝は思わずヴォロシンスキーとトーリアに交互に目を向け、従者の言葉に答えていく。


「今すぐ? そう言ってきたのか?」


「はい」


「……こちらからなにか言ったのか?」


「いえ、なにも言っておりません。ただ陛下が大魔王フレイル様と会談を行ないたいと申しております。ですからフレイル様の都合の良い日を教えていただきたいのですが……と、このように伝えただけなのですが……」


従者の言葉を聞いたイグナイエル皇帝は再度ヴォロシンスキーとトーリアに目を向け、従者に返答を行なった。


「……わかった、それでは会談を始めよう。ただ少し準備を行ないたい。フレイル陛下には少しだけ待ってもらいたいと伝えてほしい。頼めるか?」


「わかりました。直ちに伝えて参ります」


「頼む。その間に準備を終わらせる」


「かしこまりました。それでは行って参ります」


そのように答えた従者が会議室を出ていったあと、イグナイエル皇帝も会議室をあとにして会談を行う準備を始める。

こうして会議室に残る形になったヴォロシンスキーとトーリアが、なんとも言えない表情で魔王軍がすぐに会談を行うと言ってきた理由について話し合いを始めていった。

閲覧、感想、評価ポイント、ブックマーク登録、いいねありがとうございます!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ