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多元世界戦記 ~テイル奇譚~   作者: 篠原2
第一章 外交とかつての仲間達

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《アラスカ攻略戦の結果報告 その三》

ヴォロシンスキーの言動を見た出席者達は、動揺しながらヴォロシンスキーに尋ねる。


「こ、これ以上にひどい映像だと!?」


「すでに有り得んぐらいボコボコにされているんだが!?」


「これ以上にひどい映像とか……どんな衝撃映像になるんだよ……」


この質問にヴォロシンスキーはあえて答えず、トーリアに次の映像を出席者に見せるように指示を出す。

その指示を受けたトーリアは、特に言葉を発することなく作業を進める。

そうして次の映像が流れ始めた。


「……これは……」


「……嘘だろ……?」


これが映像を見た出席者一同の主な感想であった。

映し出された映像は、マシンアーマノイドを降りたテイルが降りたそのままの状態で、キャンベル搭乗のマシンアーマノイドを有り得ないぐらいにボッコボコにしているものだった。

この映像を見て顔色を青から白くさせ、言葉を失った出席者一同にヴォロシンスキーが語り掛ける。


「これが私がフェリアシティ王国とは戦わない方が良いと言った理由です。フェリアシティ王国と戦うことになった場合、まず間違いなくテイル・フェリアシティと戦うことになります。今の我が軍、いえ、共産連合にテイルとまともに戦って勝てる者はいません」


「なるほど、だから将軍はカナダ攻略に反対したのだな」


「そうです、陛下。今の我々にテイルと戦い、勝てる者はおろか互角に戦える者もいないでしょう。カナダ攻略は最低でもテイルと互角に戦える者を味方につけてから、私はそう考えております」


「そうか、わかった。皆は将軍の言葉をどう思うか?」


「……賛成です」


「私も賛成します……」


ヴォロシンスキーのカナダ攻略に反対の理由を聞いたイグナイエル皇帝が出席者に意見を聞いていく。

これに最初はカナダ攻略戦を行うことを主張していた出席者一同は、全員がヴォロシンスキーの意見を聞き入れてカナダ攻略戦に反対の意見に賛同していった。

この様子を見届けたイグナイエル皇帝はトーリアに尋ねていく。


「全員が反対だな。良くわかった」


「はい……」


「うむ。それでは、というかトーリアに聞きたいことがある。良いかな?」


「大丈夫です。なにを聞きたいのでしょうか?」


「フェリアシティ王国軍の戦士のなかで気を付けなければならないのはテイルだけなのかな? それとも他に気を付けなければならない者がいるのかな? 貴君は以前フェリアシティ王国軍に所属していたと聞いている。その意見を聞きたい。よろしく頼む」


イグナイエル皇帝はトーリアにそのように頼んでいった。

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