《テイル対ロシア軍 その一》
あっという間にロシア軍機六機を撃墜したテイルに対して、ロシア軍は正面からの攻撃だけでは勝てないと判断、前後左右に加えて上空からの攻撃も行うことを決め、そのためにワイバーンを包囲するように動き始める。
このロシア軍の動き方を見たテイルはすぐさま上空のロシア軍機に向けて移動を開始、上空のロシア軍機との戦闘に行おうとしていく。
「……うん? 攻撃を止めて、この動きは……ああ、包囲殲滅か。上にも来ているし、前後左右に上からと完全包囲攻撃を始めるつもりだね」
「……あいつ……辺りの様子を確認しているな……気付かれたか?」
「どうもそうらしい。包囲の完成を急ぐぞ」
「了解」
「お、移動速度が上がった。私が気付いたって判断したかな。とりあえず上空にいる奴から倒していくか」
「……!? 飛んだ!?」
「速い!」
「上空の部隊! 迎撃及び回避行動を急げ!」
「りょ、了解!」
テイルの行動にロシア軍部隊が対応していこうとするなか、テイルはロシア軍部隊の迎撃を軽く避けながら接近、そのままロシア軍機に斬り掛かった。
「頑張って迎撃してくるけど、この程度なら軽~く避けられるんだよね~」
「くっ、簡単に避けられる!」
「近付かれ……うわっ!?」
「ぎゃあ!?」
ロシア軍機に斬り掛かったテイルはまたしてもあっさりと二機を斬り捨てていく。
その後、今の二機の後ろにいた三機に斬り掛かり、この三機も秒殺する。
ここまでのテイルの猛攻にロシア軍部隊の動きが少しずつ鈍くなっていくなか、ロシア軍部隊から一機のマシンアーマノイドがワイバーンの前に進み出てきた。
その一機の動きにワイバーンの動きも緩やかになっていく。
そうして進み出てきた一機がワイバーンに通信を繋げてきた。
「かなりやるようだな、お前は」
「……? あなたは……?」
「俺はロシア軍スペツナズ対異世界人部隊所属、イワン・チュイコフ中尉。ここからは俺が相手をする」
「……スペ……ツナズ……?」
「怖いか? クソ女。当然だぜ、スペツナズの、それも対異世界人部隊所属の俺に勝てるもんか」
「やっちゃってください、イワン中尉!」
「ああ、こんなクソ女、なんとでもなるはすだ」
「……スペツナズ……」
「行くぞ、クソ女!」
そう言ってワイバーンに飛び掛かったイワンだったが、直後に搭乗機の四肢を切断され、頭部も切断され、胴体部分は十文字に切断され、あっけなく撃墜、イワンも戦死してしまう。
この結果にロシア軍全部隊はフリーズしながら木っ端微塵にされたイワン中尉と彼の搭乗機の残骸を見つめていた。
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