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多元世界戦記 ~テイル奇譚~   作者: 篠原2
第一章 外交とかつての仲間達

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《一時撃退》

武装の試し撃ちを行いながらロシア軍機二機を撃墜したフェイトは、すぐに次の敵機に向けて移動を始める。

その頃、フェイトと同じようにロシア軍部隊と戦っていたテイル達もフェイトと同じように無事にロシア軍機を撃墜し、次に戦う相手を誰にするかを考え始めた。

こうしてテイル達がやる気満々でいる一方で、テイル達の登場によって少しずつ不利な状況になり始めたロシア軍部隊は、部隊を一時後退させるかどうかの話し合いを始める。


「なんだあの増援部隊は!?」


「少数だがやたら強いぞ!?」


「このまま暴れられたらまずいことになるな……」


「どうする? このまま戦うか?」


「いや、ここは一度部隊を下げて、また明日攻撃を再開させる方が良いと思う」


「後退するのか……もう少しでアラスカ全体の攻略が完了するというのに……」


「いや、もう少しだからこそ焦らず確実に攻略する方が良いのだ」


「なるほどな……わかった、それでは全部隊に後退命令を出そう」


「うむ、そうしてくれ」


この話し合いで全部隊の後退を正式に決定したロシア軍は、直ちに後退を意味する信号弾を撃ち上げた。

そうしてこの信号弾を見たロシア軍部隊はすぐにこの戦場からの後退を開始、テイル達連合軍とロシア軍の戦いはテイル達がロシア軍を一時的に追い返すという結果で幕を閉じた。

こうしてロシア軍を退けたテイル達は、一度全員で基地の中に入って今後どうするかを話し合うことにする。

ここでどの国の部隊が一番に基地に入るかで議論になりかけたが、テイルが一言、


「一番被害の大きい国の方から入るのが良いんじゃないでしょうか?」


こう発言したために、一番被害が大きいカナダ軍が一番最初に基地に入り、続いて日本軍が基地に入っていき、最後にテイル達が基地の中に入っていく。

そうして基地内に入って一息ついたテイル達の元にカナダ軍の部隊指揮官がやってきて、テイル達にお礼を言ってくる。


「基地の中はわりときれいだね」


「基地の中までは侵入されてないんだね」


「これは不幸中の幸いかな……」


「休めるからなー」


「……あ、あの、少しよろしいでしょうか?」


「うん? そなたはなんじゃ? なんの目的があってわらわ達に声を掛けてきた?」


「申し訳ありません、まずはひとまず自己紹介から始めさせていただきます。私はカナダ陸軍大佐、オリヴィエ・エンハートと申します」


「ふむ、オリヴィエか。それでわらわ達になんの用じゃ?」


「いえ、皆様に感謝の言葉を伝えようと思いまして。ありがとうございました」


オリヴィエはこう言うとテイル達に頭を下げてきた。

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