《フェイト対ロシア軍 その三》
フェイトの魔法であっさりと仲間を倒されたロシア軍兵士は、この時点で戦術が破綻したためにフェイト機の後ろに回り込もうとする動きを止め、まっすぐフェイト機に向かってきた。
「ちっ、一瞬でやられるのかよ! まあいい、俺が直接攻撃すれば良いだけだ!」
「なるほど、仲間が倒されたので直接私に攻撃してくるんですね。それなら私も近接戦闘にしましょうか」
ロシア軍機が自身にまっすぐ近付く動きに変わったことを確認したフェイトは、手持ちの武器をレーザーソードを変更してロシア軍機が接近してくるのを待ち構える。
そうしてフェイトは全速力で突撃してきて、放たれたロシア軍機の攻撃をさっと避けるとそのままロシア軍機に斬り掛かっていった。
「おらぁ!! いくぞコルセアァ!!」
「コルセア? ああ、この機体の名前でしたね。それはそうと避けますよ」
「……うおっ!? このっ、楽に避けるんじゃねえよ!!」
「避けるだけじゃなくて、当然ながら反撃もしますよ」
「ちぃっ、速い! やっぱり雑魚じゃねえか!」
フェイト機の攻撃をなんとか受け止めながらロシア軍兵士がフェイトのことを強いと評価し、鍔迫り合いが始まったところでフェイトが次の行動を始める。
「敵機とのパワー勝負ではこちらの、コルセアの方が勝っているのね。これはみんなに伝えなければいけない情報だね」
「……くそっ、やはり情報通りに機体のパワーはこちらの方が負けているな。接近戦闘はこちらが不利か?」
「このままの状態が続いても勝てるとは思いますけど、このあとのこともありますから出来る限り急いで勝たせてもらわないと。レーザーソードに加えて対艦用実体剣を装備、二刀流でいかせていただきます!」
今までレーザーソードの一刀流で戦っていたフェイト機が対艦用実体剣との二刀流に変更し、レーザーソード同士で鍔迫り合い中のロシア軍機に対艦用実体剣で両断しにいった。
「二刀流か……! それならこちらも……!」
「使わせませんよ! そこっ!」
「……!! くそっ、右腕をやられた!!」
「次は右足、さらにその次は左足といきますよ!」
「ぐおっ、速すぎる!?」
フェイト機の攻撃で搭乗機の右腕を斬り落とされたロシア軍兵士が、自機の破壊された箇所を声に出して確認作業を行う中、フェイトはロシア軍兵士との戦闘を終わらせるために、残るロシア軍機の左腕と頭部を斬り落としにかかる。
「これで、終わりです!!」
「うおっ、うわっ!?」
フェイト機の攻撃で頭部に両腕、両足を切断されたロシア軍機はバランスを崩して墜落していく。
これでフェイトもロシア軍マシンアーマノイド隊との戦闘に勝利、ジャン達の元に向かう道が開かれた。
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