《フェイト対ロシア軍 その二》
顔を見合わせたロシア軍兵士達はフェイトとの通信を切って、そのままの状態で話し合いを始める。
「……おいおいあのパイロット、俺達の状況を確認してきたぜ?」
「なんのつもりだ? 自分は余裕だというアピールか?」
「そうかもな。それならさっさと攻撃させてもらうか」
「そうだな」
フェイトの質問に困惑しながら話し合いを始めたロシア軍兵士達は話し合いの結果、フェイトに返答をしないまま攻撃を始めるという意見で一致したため、すぐにフェイトに対してレーザーライフルを発射していった。
そのレーザー光線を魔導シールドで防いだフェイトがロシア軍兵士達にもう一度通信を繋げて話し掛けていく。
「返答をしないで攻撃をしてくるとは危ないですね。魔導シールドで弾けたからよかったですが。そして攻撃ができるということはそちらの準備は終わっている、ということですね?」
「……そうだな。準備は終わっているな」
「……ああ、俺も終わっている」
「了解しました。それではこちらも戦闘を始めさせてもらいます」
ロシア軍兵士達にそう告げて通信を切ったフェイト。
その一方でロシア軍兵士達は先ほどの先制攻撃を振り返る。
「こちらの攻撃は魔導シールドで弾かれたか」
「そうなると我々はさらに武器の出力を上げて魔力を込めなければいけないな」
「そうなるな。やれやれ、厄介なことだ」
「全くだ。なんの苦労もない勝ち戦だったのに……」
ここまで話した二人はここで溜め息を吐き、フェイトに向けて一人はまっすぐ近付きながら攻撃を始め、もう一人はリューネルンやテオと戦っていた者達と同じようにフェイト機の背後に向けて移動を始めていった。
このロシア軍兵士達の行動を見たフェイトが声に出して確認しながら迎撃行動に入っていく。
「一機がまっすぐに近付いてきて、もう一機は回り込んで私の後ろから仕掛けてくるのか……。これは先にまっすぐ近付いてきている敵機をどうにかした方がいいみたいですね」
そう言ってレーザーライフルを構えたフェイト機は自身に向けてまっすぐに近付いてきているロシア軍機に向けてレーザーライフルを撃っていった。
この攻撃を盾と魔導シールドの同時使用で防ぎながらなおも前進してくるロシア軍機に、フェイトはそのままレーザーライフルを撃ちながら攻撃魔法の準備を始める。
そうして攻撃魔法の準備が完了したフェイトが接近してくるロシア軍機に攻撃魔法を放つ。
「いきます……プラズマレーザー!」
フェイトが魔法の名前を口にした直後に放たれた五つの魔法光線は、フェイト機に接近してきているロシア軍マシンアーマノイドの頭部、両腕部、両脚部の五ケ所を正確に撃ち抜いたあと、残る胴体部分を超高電圧障害で作動不能に追い込み、この結果で残っている背後に向かっているロシア軍機とフェイト機との一機討ちの形になった。
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