《テオ対ロシア軍》
リューネルンがロシア軍マシンアーマノイド隊二機を撃破する直前のタイミングで、テオもロシア軍マシンアーマノイド隊と戦い始めた。
「目標捕捉、ロシア軍マシンアーマノイド二機、これより戦闘を開始します」
「敵は一機、コルセアか。だが我々は弱点を教えてもらっている」
「ああ、そうだ。恐れるに足りず、というやつだ」
「おう、いくぞ!!」
「ああ!!」
テオとロシア軍兵士は互いにこのように言うとそれぞれに距離を近付けていく。
その後ロシア軍マシンアーマノイド隊は一機ずつに分かれ、一機は直接テオ機に近付き、もう一機はテオ機の背後に向けて動き始める。
この敵部隊の動きを見たテオが敵部隊の行動を言葉にしながら確認していく。
「二手に分かれて一機は普通にこちらに近付いてくる。そしてもう一機は後ろに回り込もうとしている。ということは挟み撃ちか。マスターリューネルンが受けている戦術と同じか」
テオがここまで確認するのとほぼ同時に真正面から突っ込んできていたロシア軍機との近接戦闘が始まった。
「この機体がこちらの動きを止め、今後ろに回り込んでいる機体が動きの鈍くなったこちらを仕留める、というわけか」
「アメリカ軍最強の機体と言ってもなぁ、弱点がわかっている機体なんぞ怖くもなんともねぇんだよ!!」
ロシア軍機のレーザーソードを受け止めながら、冷静に敵部隊の行動の確認を続けるテオに対して、レーザーソードでの攻撃を行ったロシア軍兵士がテオに向かって叫んでいく。
この間もロシア軍のもう一機はテオ機の背後に向かっており、その動きを見たテオが呟いた。
「このまま挟み撃ちを受けることになれば苦戦は必至。となればすぐに前方の敵機を撃破する必要がある」
こうしてテオが呟いている間もレーザーソードでの鍔迫り合いでテオ機の動きを止めるロシア軍兵士。
そのロシア軍兵士も自身の相方の動きを見ながら声を発する。
「後ろに行くまでもう少しだな。ならばもう少し足止めをすれば良いだけか」
ロシア軍兵士がこう言ってあと少しで自分達の勝ちだと思い始めたのと同じ時、テオが動きを変えていった。
「敵機のレーザーソードは片腕で止められるか? ……いけるな、それならもう終わりにさせてもらう」
「……うん? 片腕だけでこちらのレーザーソードを受け止めて……なにをする気だ?」
「武装変更、レーザーソードからレーザーナイフに切り替える。同時に敵機のコクピットに攻撃開始」
「……え? うおっ、うわっうわっ!? ……ぐえっ!?」
「敵機の行動停止を確認、この敵機を背後に向けて移動中の敵機にぶつける」
レーザーソードでの鍔迫り合いを行っていたテオは片腕を自由にすると武器をレーザーナイフに持ち変える。
そうして鍔迫り合いをしていて動けない敵機のコクピットにレーザーナイフを突き刺し、パイロットを戦死させてマシンアーマノイドを行動不能状態にしたあとで、自機の背後に向けて移動しているロシア軍機に全力で投げていった。
これに直撃して動きを止めたロシア軍機にテオは冷静に武器を持ち変え、レーザーライフルに変更したあとすぐに二機重なっているロシア軍機にレーザーライフルを一発だけ発射する。
この一撃で重なっていたロシア軍機二機はエンジン部分を同時に破壊されて爆発し、このテオとロシア軍の戦いもリューネルンの戦いとほぼ同じように数分で決着がついたのである。
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