報告会 その一
ディアブライト城でテイルの歓迎会を兼ねた夕食会が行われているのとほぼ同時刻、魔王城パンデモニウム謁見の間でフレイル、オブルク、カプリコーンの三名による報告会が行われていた。
「では聞かせてもらおうか。こちらの損害とテイル達の兵力に戦力、開発していた新兵器の事を…」
そう言ってカプリコーンに報告をさせ始めたフレイル。
その言葉にカプリコーンが、
「うむ、わかった。まずこちらの損害じゃが残存艦隊の十八隻以外は全滅、マシンアーマノイドは…無事な物はあったのかのぅ…?それと戦死者の数は不明じゃ。ただまあ十万、二十万じゃ済まんじゃろうなぁ…」
と、自軍の損害を報告したのである。
この報告にオブルクは頭を抱えながら、
「全滅と言っていいですねぇ…」
と、言って、フレイルの方は、
「と、いう事はあれはやはりテイルの誘いだったか…」
と、言って表情を歪めたのであった。
そしてフレイルの言葉に続くようにオブルクが、
「それに私達はしっかり引っ掛かったという事ですね…」
と、肩を落としながら話したのである。
すると二人の言葉を聞いたカプリコーンが、
「と、いう事は二人がテイルの挑発に引っ掛かってしまったのがそもそもの原因ということでいいのかの?」
と、言ってフレイルとオブルクを見たのである。
これにフレイルとオブルクは顔を見合わせて、
「…損害報告はここまでにしておこうか?」
「…そうですね。続けてテイル達の兵力と戦力について報告してもらいましょうか…」
と、話したのである。
するとこの様子を見たカプリコーンは、
(逃げたのぅ…。まあ良いが)
と、心の中で呟くと続けて、
「了解じゃ。テイル達の兵力は…そうじゃのう…大体六十人いれば良い方じゃないかの。まあ連れていった住民から兵士になりたいと言う者を受け入れれば兵力は増えるじゃろうが…」
と、言ってテイル達の兵力を報告したのであった。
この報告にフレイルはオブルクに、
「テイルは住民から兵士を募集すると思うか?」
と、問い掛け、これにオブルクは少し考えて、
「…すると思います。兵力差を考えれば多少強引にでも兵士を増やさないといけませんから」
と、返答したのである。
するとオブルクのこの考えを聞いたフレイルは、
「兵士を増やすのは確実と見ていいか…。では戦力、マシンアーマノイドについてはどうだ?」
と、言ってカプリコーンに尋ねたのである。
これにカプリコーンは、
「マシンアーマノイドは最新型が六機、姉妹とエスト、それに部下どもが増援にきた時の機体が三十機、それとテイルがこちらの艦隊と戦っている時に地上から援護射撃をしていた機体が…十一機かの?恐らくこんなところじゃな」
と、答えたのである。
これを聞いたフレイルは、
「四十七機か…オブルク、こちらも増やすと思うか?」
と、オブルクに尋ね、オブルクが、
「増やすでしょう。ただ増やすだけの設備があの艦にあるのかがわからないのでどうやって増やすかをはっきり言えないのがもどかしいのですが…」
と、答えたのである。
これを聞いたフレイルは、
「…そうか。ではそれを含めた最後の報告、奴らが開発していた新兵器の報告をしてもらおうか?」
と、話してカプリコーンに最後の報告をするように言ったのである。




