新型機の譲渡交渉
テイル達がブリッジで待ち始めてから一時間、アークワイバーンのレーダーがこちらに接近してくる友軍艦の反応を確認した。
「……お、到着したかな?」
レーダーの反応音を聞いたテイルがレーダーを見てそう呟く。
「着艦許可を求めてきていますね。許可を出しますか?テイル様」
同じようにレーダーを確認したマヤがテイルに尋ねる。
この問いにテイルは、
「……そうだね、一応本当に友軍かどうかをしっかり確認したあとで着艦許可を出していこうか」
こう答えを返していった。
この会話を聞いていたリューネルンがテイルと話していく。
「新型の受領が完了したらすぐにわらわの館に運んでもらえるのかの、テイルや?」
「え、すぐに魔界に持って帰る気でいるの?」
「む?そういう約束ではなかったかの?」
「それはそうだけど、いきなり持って帰られるのは一時的とはいえこっちの戦力低下になるから、ちょっと困るかな」
「ふむう……ならば魔界に持ち帰るのはこの戦いが終わったあとにするとするかの?」
「ならそれで納得してくれる?リュー?」
「仕方ないのう、今回はこれで納得してやるとするか。感謝するのじゃぞ、テイルや」
「はいはい、感謝します感謝します」
最後に雑な返事をリューネルンにぶつけて会話を終わらせたテイルに、会話が終わるのを待っていたマヤが声を掛けていき、今度はマヤとの会話が始まる。
「テイル様、アーシア様が会話をしたがっておられますから、友軍艦の確認や新型機の搬入作業は私達が行っておこうかと思っているのですがどうでしょうか?」
「そうだね、お願いするよ、マヤさん」
「かしこまりました。それではアーシア様、私は友軍艦の確認作業と新型機の搬入作業に向かいますからテイル様とお話ください」
そこまで話したマヤが頭を下げて通信士のところに歩いていった。
その様子を見ていたアーシアがテイルと会話を始める。
「さてアーシア、あなたはどんな話があるのかしら?」
「話の内容はあいつと、リューネルンとほぼ同じでコルセアをエルヴァンディアに持っていく件なんだけど、やっぱり少し待った方がいいんだよね?」
「ああ、それね。いや、エルヴァンディアにはすぐに持っていってくれて大丈夫だよ?」
「え?」
「え?」
アーシアの質問に軽く答えたテイルにアーシアとリューネルンがほぼ同時にテイルに聞き返した。
これにテイルが補足説明を開始した。
「精霊界は魔界よりマシンアーマノイドの開発技術が遅れてるからね。少しでも早く追いついてもらわないと私達が困るもの」
テイルはこう言ってアーシアに話していった。
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