王国滅亡時の出来事
ジャンの言葉を聞いたエストは、
「ああ、そうだったな。ではそのあと、滅亡直前から滅亡するまでを話していくか」
そう言ってジャンにフェリアシティ王国滅亡直前から滅亡までの話を聞かせていく事にした。
そうしてエストは、
「魔王軍が攻めてくるとわかったあとの対応もテイルとそれ以外の者達とで違いが出た。俺を含めたテイル以外の者達は魔王軍と戦うべきだと主張したが、テイルは各国の国家元首や軍最高司令官やフェリアシティ王国国民の全てを逃がすという判断をした」
このように話して一度息を整えたエストは続けて、
「そこでまた論戦になりそうになったんだが、その時はもう時間が無いという事でテイルが女王権限でごり押した。それで当時の連合軍を総動員して各国国家元首に軍最高司令官にフェリアシティ王国国民の全ての避難を魔王軍の到着三時間前に終わらせた。これにはスパイもフレイルや魔王軍の全員が泣いただろうな」
こう言ってエストはフェリアシティ王国の滅亡直前に起きた出来事をジャンに話していった。
ここまでの話を聞いたジャンは、
「ここまではなんというか、テイルの優秀さが良い方にも悪い方にも出たって感じがするな」
こう言ってエストに言葉を返した後で、
「今の話が滅亡直前の話だとすると滅亡する時にはなにか論戦になるような事があったのか?あったらそれも聞かせてほしいんだが?」
このように話して更に三年前の話を聞きたいとエストに頼んでいく。
これにエストは、
「この後は論戦になるような事はなかったよ。論戦になりかけた話はあったけどな」
そう言ってジャンの頼み事への返答を行う。
このエストが言った論戦になりかけたという話をジャンは、
「論戦になりかけた話?面白そうだからその話も聞かせてくれよ?」
そう言って話すようにエストに重ねて頼んでいった。
このジャンのおねだりを受けたエストは、
「あんまり長い話じゃないんだがな」
こう言って前置きを行ってから話し始める。
「避難させると決めた対象の全てを避難させたテイルは自分を含めた姉妹達の記憶を三重の催眠術で封印して、髪の毛の色も魔法染料で染めて隠して完全に別人に変装して魔王軍の捜索から逃げるという考えを姉妹達に行った。これにライトが私達までこそこそ逃げ隠れするような事はしたくないと言って反発したんだが、自分以外の姉妹達が全員テイルの意見に賛成したから論戦にならなかったんだよ」
エストはこう話してフェリアシティ王国滅亡時の出来事をジャンに話終えた。
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