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多元世界戦記 ~テイル奇譚~   作者: 篠原2
第一章 外交とかつての仲間達

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評価を聞く為に

エストの言葉を聞いたジャンは、


「ああ、それは俺も気になるな。エストが聞きに行く時に俺も一緒に聞いてみようかな。良いだろエスト?」


そう言ってエストがテイルにトーマス博士の評価を聞く時に自分も同席して一緒に聞いていいかを尋ねていく。

しかしジャンのこの頼み、これに対してエストは、


「……いや、後で教えてやるから止めておけ。ジャンが一緒にいると多分テイルは本心を話さないだろうからな」


このように話して断っていった。

これにジャンは、


「ん?本心を話さない?テイルが?嘘だろ?今まで一緒にいた感じからするとテイルほど自由に話してる奴もそういないと思っていたんだが?」


こう言って不思議そうな表情でエストに話していく。

このジャンの言葉にエストは、


「そう思うだろ?それが実際はまったく逆で恐ろしいぐらい相手に気を使って話してる。それを知ってる奴がテイルと誰かとの会話を見ていると息苦しくなってくるぐらいだぞ」


そうジャンに話してジャンの様子を観察していった。

そんなエストにジャンは、


「うーん……あんまり想像できないな。あの自由人が他人に気を使って話してるとか」


そう言ってエストから目線を外して天井を見ながら自身のテイルを見てきた感想を話していった。

そう話したジャンにエストは、


「テイルと付き合いの短い者はそう言うよな。本当のテイルは相手の越えてはいけない一線を見切るのが恐ろしく早く上手い人物で、その能力を駆使して当たり障りの少なく、それでいて話している相手が喜びそうな評価をしていく傾向がある。だからジャンがテイルの本心からのトーマス博士評を聞きたいなら俺一人で聞いた後で俺から聞くのが一番だ。わかってくれるか?ジャン」


こう話してテイルの事を伝えながらテイルのトーマス博士評を聞きたいなら自分一人に任せろと伝える。

これを聞いたジャンはようやく、


「ふぅ、わかったよエスト。それじゃあテイルのトーマス博士評を聞くのはエストに任せる。頼んだからな?」


そう言ってエストに全てを任せると話していった。

そんなジャンにエストは、


「ああ、任せろ。しっかり聞き出してやるからな?」


このように答えるとエストは続けて、


「さてと、それでかなり話が脱線したみたいだが、なんの話をしていた?」


そう言ってジャンに最初の方はどのような会話をしていたかを尋ねたのである。

これをジャンは、


「……確か最初は三年前のフェリアシティ王国の滅亡時にスパイがいたんじゃないかって話じゃなかったか?」


そう話して話題を最初の方に戻そうとしていった。

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