ジャンのトーマス評
ジャンの提案を聞いたエストは、
「いや、止めておこう。今の状況下で各国間が疑心暗鬼になるような言動を放り込むのは得策ではない」
こう言って却下していった。
このエストの返答を聞いたジャンは、
「うーん、そうか……。良いアイデアだと思ったんだがなあ」
腕組みをしながらそう言って少しの間考えるとエストに、
「……なあエスト、今の世界でテイル達の考えと同じように考えてる奴っていると思うか?」
このように尋ねる。
このジャンの問い掛けにエストは、
「いるんじゃないか?おそらくだが各国の参謀総長クラスの頭脳の持ち主ならさっき話した考えになっていても不思議ではないと、俺は思っているんだが」
そう話してジャンの問い掛けに答えていく。
するとこのエストの返答を聞いたジャンは、
「そうなんだな。それならまた今度機会がある時にトーマス博士に聞いてみるか。トーマス博士ならなにか答えてくれるだろうし」
そう言って先ほどのスパイがいるんじゃないか疑惑についてトーマス博士に尋ねてみる事を決めたのだった。
このジャンの言葉を聞いていたエストは、
「トーマス博士?誰だそれ?優秀な人物なのか?」
こう話してジャンにトーマス博士という人物の事について質問をしていった。
このエストの質問にジャンは、
「トーマス博士は今のアメリカで最高クラスの頭脳の持ち主さ。あの人がアメリカ軍の参謀総長に就任してからアメリカ軍は一度も負けてないんだぜ?しかも全部の戦争に勝ってるのに、今回は味方の被害が多く出てしまった。私にとってこの戦いは敗北だったと言っていい。反省する事ばかりだ、みたいな事ばっかり言うんだぜ?本当に凄ぇよ、トーマス博士は」
こう話して答えると憧れの人を見るような眼差しで遠くを眺めたのであった。
これにエストは、
「ほう、ジャンがそこまで言うのか。俺も興味が湧いてきたな」
そう話して二回三回と頷くとジャンに、
「なあジャン、そのトーマス博士とやら、テイルと話した事はあるのか?」
そう言ってトーマス博士とテイルが会話をした事があるかどうかを尋ねてみた。
このエストの質問にジャンは、
「ああ、あるぞ。アメリカとフェリアシティ王国との同盟交渉だったりの席で話した事があったはずだ」
こう言ってエストに返答していった。
この返答を聞いたエストは、
「そうか。それなら今度テイルにトーマス博士と話した時の印象や感想を聞いてみるか」
そのように口にしてテイルにトーマス博士の事を聞いてみる事を決めたのであった。
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