夕食会 その一
それぞれがそれぞれに時間を使っていたテイル、アーシア、アルシアの三人。
その中でテイルとアーシアの二人はファルンから、アルシアは侍従長から夕食会の準備が完了したと報告を受け、テイルとアーシアの二人はお風呂から上がって着替えを終えるとすぐにファルンの先導で夕食会の会場に向かい、そしてアルシアの方は特別な用意をせずに侍従長の先導で夕食会の会場へと向かったのであった。
そうして先に会場に到着したのはアルシアの方で侍従長に先導されて自身とテイル、アーシアが使うテーブルへ到着、そのまま侍従長が引いた椅子に腰掛けるとテイルとアーシアの到着を待ったのである。
「少し早く到着してしまいましたかね、侍従長?」
「そんな事は無いと思いますよ、陛下。ほら」
侍従長がそう言って指差した先に視線を向けたアルシアはファルンに先導されて夕食会会場に入ってきたテイルとアーシア両名の姿を確認、これでテイルとアーシアに自身を待たせてしまったと感じさせないですむ、とホッと胸を撫で下ろしたのであった。
「お待たせしましたか母上、侍従長?」
「いえ、私達も今到着した所です」
「そうですよ、殿下、テイル様」
「…本当ですか?気を使ったりしていませんか?」
アルシアと侍従長の言葉にテイルが若干不安そうにアルシアと侍従長に尋ねたのだが侍従長は、
「気を使ったりはしていませんよ、テイル様。私はともかく陛下は先ほど、少し早く到着しすぎたのではないかと心配なされたぐらいなのですから」
と、話してテイルの不安を和らげようとしたのである。
そして侍従長の言葉にアルシアも続いて、
「侍従長の言う通りですよ。私がここに到着して侍従長に少し早く到着してしまいましたかね、と尋ねた直後にテイル女王とアーシアが到着したのですからね」
と、言ってテイルを安心させる言葉を発したのである。
こうして侍従長とアルシア二人の言葉を受けてようやくテイルが、
「そうですか…。わかりました。お二人がそう言われるのであればその言葉を信じます」
と、言って自身の中にあった不安感情を打ち消すようにしたのだった。
そしてテイルのその様子を見た侍従長がアルシアに、
「申し訳ありません、陛下。すまんがテイル様とお話したい事柄があるのですが、よろしいですか?」
と、断りを入れて、その言葉にアルシアの、
「…どのような内容かはわかりませんが、私は構いませんよ?」
と、いう返答を聞いた侍従長がテイルにスッと近付いてきた。
そしてテイルの耳元で、
「失礼致します、テイル様。実は少々お願いしたい事柄があるのですが…」
と、話してきたのである。
この言葉にテイルは、
「…私に?お願いしたい事?侍従長殿が?……どんなお願い事でしょうか…?」
と、若干警戒しながらも侍従長にどんな願い事があるのかを恐る恐る尋ねると侍従長は次のように話し始めた。
「お願いがあるのは私ではありません。この城の料理人達です。…以前テイル様がこの城で食事をなされた際に料理人達を酷評した事を覚えておいででしょうか?」
こう話して侍従長はテイルの顔を見詰めたのである。
この質問にテイルは少し自身の記憶を探った後で、
「…あぁ、ありましたねぇ、そういえば…」
と、ほんの少しどこか遠くを見ながら侍従長に答えたのだった。
そしてテイルは続けて、
「…という事は私にお願いがあるのは料理人達ですか?」
と、侍従長に尋ねたのである。
このテイルの指摘に侍従長は頷きながら、
「えぇ、そのとおりです。…お話してもよろしいでしょうか?」
と、テイルに料理人達のお願い事を伝えても良いかと話したのである。
この侍従長の言葉にテイルは少し考えて、
「…わかりました。内容にもよりますが聞ける範囲で料理人達のお願い事とやらを聞きましょう。…それで?肝心のお願い事というのは?」
と、身構えながら侍従長に尋ねたのであった。
そんな警戒心丸出しのテイルを見た侍従長は極めて穏やかに、
「そんなに警戒なさらないでいただいて大丈夫ですよ。とても簡単なお願い事ですから。…まあテイル様にとっては難しいお願い事になるかもしれませんが…」
と、話してまずはテイルの警戒を解くように話し掛けたのである。
これにテイルが、
「私だと難しい?どういうお願い事ですか?」
と、侍従長に即座に聞き返し、このテイルの聞き返しに侍従長が、
「簡単なお願い事です。今日これから召し上がっていただく料理を前回のように酷評しないでほしい、とのことになります」
と、テイルへの料理人達からのお願い事を伝えたのであった。
このお願い事を聞いたテイルは少し無言で考えた後、侍従長に、
「…そのお願いを聞き届ける前に一つ確認したい事があるんですけど、よろしいですか?」
と、尋ねたのである。
このテイルの言葉に今度は侍従長が少し警戒しながら、
「…どのような事を確認なされたいので?」
と、テイルに尋ね返したのである。
そしてこの侍従長の尋ね返しにテイルは、
「簡単な確認ですよ。この城の料理人達は褒められて伸びるタイプの人達でしょうか?それとも叱られて伸びるタイプの人達でしょうか?これを確認したいのです」
と、話して侍従長の目を真っ直ぐに見詰めたのであった。
このテイルの言動に侍従長は瞬間的に返答することが出来ずに一瞬狼狽えてしまった。
そうして少し返答が遅れてしまったのだが、その返答は、
「「「褒められて伸びるタイプの人達です」」」
と、侍従長に加えてそれまでテイルと侍従長の話を黙って聞いていただけだったアルシアとアーシアの二人の声も重なった三人同時の返答になったのであった。
そしてこの三人同時の返答を聞いたテイルは即座に、
「なるほど、良くわかりました。この城の料理人達は叱られて伸びるタイプの人達が多いみたいですね。ですので今回も酷評する事に致します」
と、アルシア、アーシア、侍従長の三人に返答したのである。
これにアルシア、アーシア、侍従長の三人はそれぞれに、
「テイル女王!?」
「テイル!?」
「テイル様!?」
と、大声をあげながら嘘でしょ…?というような表情でテイルを見詰めたのであった。
この三人の大声と表情を受けたテイルはすぐに、
「冗談ですよ。酷評はしません。たとえ味付けや盛り付けに不満があっても厳しい指摘はしませんし少しでも気に入ったらきちんと褒めます。ですから今回は安心して料理を運んで来てほしい、と、料理人達に伝えてください。お願いしますよ、侍従長殿?…それとアルシア様とアーシア、二人もそんなに驚かないでくださいよ…」
と、侍従長やアルシア、アーシアに告げたのである。
そしてテイルのこの言葉を受けた侍従長は、
「わかりました。それではすぐに料理人達にテイル様の言葉を伝えて料理を運ぶように言ってきます」
と、言って厨房に向かい、アルシアとアーシアはそれぞれに、
「寛大な発言に大変嬉しく思います、テイル女王」
「ちょっとテイル、少し焦ったわよ?」
と、アルシアはテイルに感謝の言葉を、反対にアーシアは軽い非難の言葉を口にしたのであった。
こうして両極端の言葉を受けたテイルは、
「ありがとうございます、アルシア様。そしてアーシア、あなたはあれぐらいで焦らないでよ。昔はもっとエグいのやっていたしアーシアもそれにツッコミ入れてたじゃない…」
と、アルシアに感謝の言葉を、そしてアーシアに対しては以前はもっと酷い悪戯をしていたしアーシアもその悪戯に反応していたと指摘したのであった。
そしてテイルにこう言われたアーシアは、
「確かにそうだったけど三年のブランクがあることを忘れるな」
と、反論したのであったがテイルはその反論にも、
「確かに三年間別れてたけど今日のお昼頃から一緒に行動してたじゃない。それで多少は感覚を取り戻せたでしょ?」
と、話してアーシアの反論に言い返したのであった。
こうして自身の反論を軽く言い返されたアーシアではあったが、アーシアはアーシアでテイルの言葉に再度反論をしていった。
「あのねぇ、三年間のブランクをたった数時間で取り戻せるとか思わないでほしいんだけど?」
以上のようにアーシアは反論したのだがテイルは今回の反論には、
「何言ってるの、私は記憶を取り戻してから一時間もしない短時間で三年間のブランクを取り戻せたのよ?だからアーシアもそれぐらいしてくれないと困るわよ」
と、言われている相手にとってはわりと理不尽な、そしてツッコミを返しやすそうな発言でバッサリと切って捨てたのであった。
そして比較的返答しやすい言葉を貰ったアーシアはすぐに、
「いや、テイルみたいになんでもできる超天才と一緒にしてほしくないんだけど?」
と、言ってテイルの言葉に反論したのである。
この反論にテイルは心の中で、
(出来る限り反論のリハビリになりそうな言葉を使ったつもりだったけどこれか…。まあ少しずつ感覚を取り戻してくれればいいか…)
と、呟きながら続けて、
「…了解、それじゃあアーシアが以前のキレを取り戻すのをのんびり待つ方向にシフトする事にさせてもらいまーす」
と、話してアーシアの言葉を受け入れてその意見を尊重するという趣旨の発言をしたのであった。
そしてテイルのこの言葉を聞いたアーシアの方も、
「それでお願いするわ。…ふぅ、とりあえずこれでこのあまり中身の無い会話を終わりに出来たわね…」
と、話して自身のテイルとの会話のキャッチボールのリハビリのペースをゆっくりにしてもらう事のテイルの了解を得た事への安堵の声と、テイルの了解を得る為のわりと不毛な会話を終わらせる事が出来た事への安堵の声を両方同時に発したのである。
そして誰かがテイルとアーシアの会話が終わるタイミングを見計らい食事会の料理を運んできたのであった。
「お待たせ致しました。まずはオードブル、フォアグラのテリーヌでございます。どうぞお召し上がりください」
「「ありがとう」」
「ありがとうございます」
料理を運んできた給仕係がテイル、アルシア、アーシアの三人の前に料理を並べながら三人に言葉を掛け、その言葉にアルシアとアーシアが普段通りに挨拶を返しテイルがその二人よりも気持ち丁寧に挨拶をすると三人は早速一品目のフォアグラのテリーヌを食べ始めたのであった。
「うん、安定のいつもの味」
「こら、アーシア」
「人には酷評するなって言っておいて自分はそれなの、アーシア?」
「やだなぁ母上、それにテイル。私は酷評したんじゃなくて毎回毎回このクオリティのフォアグラのテリーヌを食べさせてくれる料理人達に感謝の言葉を述べただけよ?」
「それなら他に言い方があるでしょうに…」
「アーシアがそれなら私もはっきり言うわよ?」
「「……何を?」」
「フォアグラのテリーヌよりもパテ・ド・カンパーニュの方がよかったとか」
「やめてあげてください…」
「テイル、やめてあげて…」
「冗談ですよ。ですからご安心ください」
「「ほっ…」」
こうして会話しながらの食事で一品目のフォアグラのテリーヌを食べ終えたテイル、アルシア、アーシアの三人。
するとすぐに給仕係が三人の前にある皿を下げて厨房に持っていき、そしてすぐに二品目の料理を運んできたのである。
そして給仕係はテイル、アルシア、アーシアの三人の前に二品目の料理を並べながら、
「こちらが二品目、セグレル海老のビスクでございます。温かい間にお召し上がりください」
と、二品目の料理が何かを説明したのである。
そしてアルシア、アーシア、テイルの三人は二品目のセグレル海老のビスクを並べ終え、厨房に戻ろうとしている給仕係に、
「「ありがとう」」
「ありがとうございます」
と、一品目の時と同じように声を掛けたのであった。
その声掛けに給仕係が足を止めて三人の方に顔を向けて一礼、再び厨房に戻っていく姿を見届けた三人はすぐに二品目、セグレル海老のビスクに向き合ったのである。
「二品目はセグレル海老のビスクですか。楽しみですね」
「お手柔らかにお願いしますね」
「本当にね?」
「味によります」
「「…ですよね」」
「それでは早速……………。うん、良い感じ。私の好みの味付けです」
「「ほっ…」」
「………。…うん、良いですね」
「それでは私達も……えぇ、美味しいです」
「うーん、いつも通りの良い味付け、最高だね」
「…うーん…」
「ん?どうしたの、テイル?」
「…さっきと同じようにいつも通りって言葉に引っ掛かるんだよねぇ…」
「…それは普段からこのレベルの料理を食べているからってことでどうにか…ならないかな?」
「…うーん…」
「アーシア、私達はテイル女王をもてなす立場ですよ?それなのにテイル女王が不快に感じる言動をしていいわけがないでしょう?」
「…すみません母上…」
「謝るのは私にではなくてテイル女王にでしょう?」
「…はい。テイル、ごめんね?」
「…ふふっ、えぇ、許してあげる。ただしいつも通りとか普段通りとかを二度と言わない事。次言ったら出てくる料理に酷評するからね?」
「…はい、わかりました…。…以後、気を付けます…」
「よろしい。…それで二品目、セグレル海老のビスクなんですけど私はもう食べ終わったと言いますか飲み終わったと言いますか、まあ、お皿が空っぽになったんですけど、アルシア様とアーシアはどうですか?」
「私は後一口といったところですね。アーシア、あなたは?」
「…私は後三口、四口ですね-。すぐに飲み干します」
「飲み干すって…まあいいけど…」
「申し訳ありません、テイル女王。このような娘で…。アーシア、もう少し礼儀正しい言動をしなさい」
「はい、わかりました」
「…やっぱりアルシア様の言葉は素直に聞くのね…」
「…それはまあ……母上だし?」
「…私の注意も同じくらい素直に聞いてくれると嬉しいんだけどなぁ…」
「安心してください、テイル女王。アーシアが言う事を聞かない時はすぐに私に連絡してください。必ず言う事を聞かせますので」
「は!?うぇ!?」
「それは助かります、アルシア様。それではアーシアの言動に困った時はすぐに連絡させていただきます」
「えぇ、任せてください」
「ちょ、母上!?テイル!?」
「やったねアーシア、私からアルシア様へのホットラインが出来たよ!」
「やったねじゃねーわ!勝手に話を進めるな!っていうかテイルから母上へのホットラインとか私ってリューネルンと同じ扱いなの…?」
「あぁ、そう言えばそうか。…ふふふ、アーシア、リューと同じ扱いが嫌なら普段からもう少し私の言う事をおとなしく聞く事ね?そうすればホットラインは使われないからね」
「そうよ、アーシア。…さて、お話ししていてスープを飲み終えられませんでしたね。すぐに飲んでしまいましょうね。アーシア、あなたもね?」
「…はい。………二品目、ご馳走さまでした」
「えぇ、二品目、ご馳走さまでした」
こうして三人が二品目のセグレル海老のビスクを食べ終えて間も無くのタイミングで給仕係が三人の元にやってきた。
そして、
「それでは二品目のお皿を御下げ致します。続けて三品目の料理を御持ち致します」
と、話して三人の前にある皿を下げるとすぐに厨房に戻っていったのであった。
そうしてまたすぐに三品目の料理を持って厨房からテイル達三人の元に戻ってきたのである。
そしてテイル達三人の前に料理を並べながら、
「こちらが三品目、サーモンのパイ包み焼きでございます。冷めない間にお召し上がりください」
と、話し、料理を並べ終えるてアルシア、アーシア、テイルの三人に一礼するとこれまでと同じように厨房に戻っていったのである。
その背中にアルシア、アーシア、テイルの三人は同時に、
「「「ありがとうございます」」」
と、声を掛けたのであった。
そうして声を掛けられた給仕係は先ほど声を掛けられた時と同じように足を止めて三人の方に顔を向けて一礼するとすぐにまた厨房に戻っていったのである。
そしてアルシア、アーシア、テイルの三人は給仕係が厨房に戻りきる前に三品目の料理に向き合っていた。
「三品目はサーモンのパイ包み焼きですか。三品目が魚料理、そしてこれまでの順番から考えると今回の夕食会は人間界のフランス料理、それもコース料理だと思って良さそうですね」
「そのようですね、テイル女王。…フランス料理は苦手でしたか?」
「いえ、大好きです。それにサーモンも好きな食材ですからね。期待してます」
「ほっ…良かった…」
「…ここまでを見るとそんなに心配しなくても大丈夫そうですよ、アルシア様」
「…?それは…何故そのように思うのですか?テイル女王?」
「前回の食事会の時は私の苦手な料理も出てきましたが、今回はここまでに私の苦手な料理が出てきていません。恐らく私の好みを調べあげて私が好む料理ばかりを調理しているのでしょう。ならばアルシア様、アーシアが心配する事は極めて少ないと思いますよ?」
「…そうですか。それを聞いて少し安心しました。…それでは冷めない間にいただきましょうか?テイル女王、アーシア?」
「そうですね、いただきましょう」
「はい!いただきましょう!」
「………うん!美味しい!文句無しです!」
「……うん、うん。テイル女王のおっしゃるとおり、文句の付けようが無い味付けですね」
「うーん、美味しい-!はしたないってわかっていてもこういう表現になっちゃう-!」
「…自分からはしたないと言うとは…考えたわね、アーシア…」
「申し訳ありません、テイル女王…」
「大丈夫ですよ、アルシア様。というかアルシア様が謝る事ではないでしょう?問題なのはアーシアの言動なんですから」
「…そうですね。アーシア、あまりはしたない言動はよしなさい」
「いえ、母上、これはどの辺りのラインがギリギリかを確かめる為に必要な行為なんです。どうかお許しを…」
「…あなたは何を言ってるの、アーシア…?」
「…アーシア、その、ギリギリのラインを確かめる行為は誰のギリギリのラインなの?」
「勿論テイル、あなたのよ?」
「…それならそのギリギリのラインを確かめる作業はこの夕食会でやらなくても良くない?この夕食会が終わって、私とアルシア様の明日の会談が終わって私とアーシアがディアブライトから私達の艦に戻ってからで。だめ?」
「……それもそうね」
「でしょ?だったら今は普通に食べない?」
「…一理ある」
「一理あるじゃなくて」
「うん、テイルの言うとおり、ここは普通に食べましょう。母上、もう大丈夫です!」
「………申し訳ありません、テイル女王……」
「……いえ、私の方こそ、なんか申し訳ありません、アルシア様」
「…食べましょうか、テイル女王」
「…そうですね、アルシア様」
「…えっと…私は?」
「…ふぅ、勿論あなたも食べなさい、アーシア」
「…はい、残りもいただきます…」
「いただきました」
「…早いですね、テイル女王…」
「美味しかったですからね」
「そうですか…ありがとうございます、テイル女王」
「私もいただきました」
「あら、アーシアも?では私も急いで…」
「あの、アルシア様、ゆっくりでいいですよ?」
「いえ、大事な客人であるテイル女王をお待たせするわけにはいきませんから。……………えぇ、私もいただきました」
こうして三人全員が三品目、サーモンのパイ包み焼きを食べ終わり、今回もタイミングをみていた給仕係が三品目の皿を下げる為に厨房から三人の元にやってきて、
「失礼します、テイル様、アルシア様、アーシア様。早速三品目の皿を御下げ致します」
と、話して三人の皿を下げていき、
「続けて四品目、口直しのグラニテを御持ち致しますので少々御待ちください」
と、話して厨房に戻っていったのである。
こうして四品目の料理が来るまでの短い時間にテイル、アルシア、アーシアの三人は、
「楽しみですね」
「そうですね、テイル女王」
「グラニテかぁ、久しぶりに食べるなぁ…」
と、話して四品目のグラニテに思いを馳せるのであった。
キリがなかったので中途半端なところで次話に回してしまいました…。
すみません…。(土下座)




