好みの問題
エストからの謝罪の言動を受けたジャンは、
「いや、気にしていないから大丈夫だ。とりあえず気持ちだけ受け取っておくよ。ありがとうな」
と、言ってエストに答えていったのである。
これにエストは、
「そう言ってもらえると助かる。こちらからも礼を言わせてもらうよ、ジャン殿。ありがとう」
と、言ってエストからもジャンに対して感謝の言葉を伝えたのであった。
こうしてエストとジャンが互いに感謝の言葉を相手に送りあっているとテイルが、
「…お、きたみたいだね。それじゃあ料理がきた人から順番に食べ始めていこうか?」
と、言って全員に話した後で一番最初にやってきた自身が注文したメニューである親子丼を食べ始めていったのである。
これにリューネルンが、
「…なんと言うか…一番最初にテイルの料理が運ばれてくるのは忖度のような何かを感じるのう?」
と、言って親子丼を掻き込むテイルの姿を眺めたのであった。
このリューネルンの指摘を受けたテイルは、
「…モグモグモグ…ごっくん…忖度するとかそんなの当たり前じゃない。だって私はこの国の女王様よ?特別扱いされるとか忖度されるとかは当然の事に決まってるじゃない?」
と、言ってリューネルンだけではなくこの場にいる全員に話していったのである。
このテイルの発言を聞いたリューネルンは、
「わらわみたいな事を言うのう。まあそれでこそわらわが好いたテイルなんじゃがの?」
と、言ってテイルに微笑んだのであった。
その直後にフェイトのところにもテイルが頼んだ物と全く同じ親子丼が持ってこられた為にリューネルンが、
「…なぜテイルの次があの偽善者なんじゃ…?」
と、言って鬼のような形相でフェイトを睨み付けていったのである。
これに親子丼を持ってきた給仕係が、
「テイル様とフェイト様が頼まれた料理が同じ物でしたから。ですからほぼ同じタイミングで出来上がりましたから、ほんの少し先に出来上がったテイル様の方から持ってきただけなのですが…」
と、恐縮しながらリューネルンに言ってリューネルンの反応を伺ったのであった。
この給仕係の言葉を聞いたリューネルンは、
「…おのれ偽善者め…。たまたまテイルと味覚が似通っておるからといっていい気になりおって…」
と、言って再度フェイトを睨み付けていったのである。
するとこのやり取りを見ていたジャンがエストに、
「…テイルとフェイトの食の好みは似ているのか?」
と、言って尋ねたのであった。
これにエストは、
「そうだな、ほぼ完全に一致と言って良いだろうな」
と、言ってジャンに話していったのである。
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