察してしまったリューネルン
リューネルンの言葉にテイルは、
「…嫌な予感?…それって例えばどんな…?」
と、言って妖しい笑顔を浮かべながら逆にリューネルンに尋ねていったのである。
このテイルに問い掛けにリューネルンは、
「…このイベント会場を見た事とお主のその笑顔、そして先ほどからの無能の反応で全て察したわ…。ここにいるのはあの偽善者の女じゃな…?」
と、言ってテイルに尋ねたのであった。
これにテイルは、
「お、さすがに気付いたか」
と、言って先ほどよりも深い妖しい笑みを見せるとその顔のままリューネルンに、
「そうだよ、正解、そのとおり。ここにはリューが大好きなあの子が来てる、いえ、このイベントに参加してるってシャドウから報告があったからね。だからここに来たんだよ」
と、言ってリューネルンに話したのであった。
これにリューネルンは、
「冗談では無いわ!あやつが戻ってくるならわらわは帰らせてもらう!行くぞ、テオ!」
と、言ってこの場から立ち去ろうとしたのだが。これにアーシアが、
「ふん!逃がすわけないでしょ、リューネルン。諦めて運命を受け入れなさい」
と、言ってリューネルンを羽交い締めにして身動きを出来なくしたのである。
そんなアーシアにリューネルンは、
「おのれ無能、離さぬか!テオ、この無能を引き剥がせ!」
と、言ってテオに命令してアーシアを無理矢理にでも引き離そうとしたのだが、テオにはテイルが、
「はい、テオ、ストップ。今はリューの命令は聞かなくて良いからね?」
と、言ってテオの動きを止めていったのである。
これにテオは、
「了解しました、マスターテイル。マスターリューネルンの命令は無視します」
と、言ってリューネルンの命令ではなくテイルの命令で動く事をメンバー全員の前で宣言したのであった。
これにリューネルンは、
「ちょっと待て、テオ!お主わらわを裏切るのか!?わらわはお主のマスターじゃろうが!?裏切るでないわ!!」
と、言って叫んだのだがテオは、
「承認出来ません。私の指示順位一位はマスターテイルです。マスターリューネルンは第二位です。ですからマスターリューネルンの命令は今は受ける事は出来ません」
と、言ってリューネルンの命令を聞かないという意思表示を行ったのである。
これにリューネルンは、
「おのれテオ!おのれテイル!おのれ無能!お主ら覚えておれよ!?」
と、叫んで暴れようとしたのであった。
するとこの様子を見ていたジャンが、
「…あのわがまま魔族があそこまで嫌がるとは…。その偽善者の女ってどんな人物なんだ…?」
と、言うと腕組みをしながら考え込んだのである。
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