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多元世界戦記 ~テイル奇譚~   作者: 篠原2
第一章 外交とかつての仲間達

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作業所での交渉

テイルの言葉を聞いた作業員リーダーは、


「…なるほどねぇ…。けどその新型機と魔界の新型機のハイブリッド機がここで開発されて、その機体がフレイル王に渡ったらどうするんだい?」


と、言ってテイルに聞いてきたのである。

これにテイルは、


「なんだ、そんな事か。簡単な事だよ。そんな事態は起こらない。だから考える必要が無い。これが答えかな」


と、言って作業員リーダーの質問に答えたのであった。

この答えを聞いた作業員リーダーは、


「…そんな事態は起こらないって…断言しても良いのか?何か間違いが起きる可能性だってあるんだぜ?」


と、言ってテイルの言葉に反論していったのだが、これにテイルは、


「だから無いですって。だってそうでしょう?私達が負けたらフレイルは魔界の他種族協調路線の勢力を根絶やしにしますよ?そうなればライズクロイツは真っ先に滅ぼされる事になります。ライズクロイツが滅ぶという事

はあなた達も滅ぶ事になるでしょう」


と、言って説明していったところで一度話を区切ると、軽く息を吸った後で、


「では問題です。自分達を滅ぼそうとする可能性が極めて高い相手に最新技術を引き渡す者がいると思いますか?」


と、言って作業員達全員に尋ねたのである。

この質問に作業員リーダーが、


「…そうだな、自分達を全滅させようとしている奴に新型を渡す馬鹿はいないわな」


と、言ってテイルを見ると、


「わかったわかった、俺の負けだ。アメリカの新型、ありがたく受け取らせてもらうぜ」


と、言ってテイルの提案を受ける事を正式に認めたのであった。

そんな作業員リーダーにテイルは、


「よろしくお願いします。それで完成した最新型はリューに渡してくれると私達が非常に助かります」


と、言って新型機が完成した時の新型機の送り先をリューネルンのところにするようにと頼んだのである。

これに作業員リーダーは、


「わかった。そうさせてもらうぜ」


と、言ってテイルに笑い掛けたのであった。

これを受けてテイルはリューネルンの母に、


「母上殿、これで私の用件は終わりました。すぐにリューのところに戻ろうと思うのですが良いですか?」


と、言って尋ねたのである。

これにリューネルンの母も、


「そうですか。そうですね、私もあの子と夫がどうなっているかが気になりますし……戻りましょうか?」


と、言ってテイルの言葉に同意して全員で応接室に戻ると、そこには真っ白に燃え尽きて灰のようになったリューネルンと、その前に仁王立ちしている父の姿を見る事になるのであった。

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