お願いとテイルの提案
作業員達のリーダーを始めとした作業員達全員を自身に注目させたリューネルンの母は、
「皆さんに伝える事があります。また後で夫かリューネルンのどちらかから詳しい話があると思いますが、皆さんの何名かに今日こちらにいるテイル・フェリアシティ女王陛下の元に向かってほしいのです。それについて皆さんで誰がここに残り、誰がテイル女王の元に向かうかを話し合ってほしいのです。私はそれを伝えに来ました。どうかよろしくお願いいたします」
と、言って作業員達に頭を下げたのである。
これに作業員達は、
「はぁ、テイル女王の、フェリアシティ王国に転勤?ですか…」
「…うーん…。まあ俺達は別に良いんですけど…」
「うん、家族がいる奴は家族が何て言うか…。心配なのはそれぐらいですかね?」
と、言ってリューネルンの母の言葉に答えたのであった。
これにリューネルンの母は、
「そうですか。皆さん前向きに検討してくださっているようで嬉しく思います」
と、言って再度作業員達に頭を下げるとリューネルンの母はテイルに、
「テイル女王、とりあえずはこのような感じで良いでしょうか?」
と、言って尋ねてきたのである。
これにテイルは、
「ええ、ありがとうございます、母上殿。後はリューかリューの父上殿に正式に頼んでもらうだけですね」
と、言ってリューネルンの母に答えると続けて、
「そうだ、私達のフェリアシティ王国に今度アメリカから最新型のマシンアーマノイドが複数機送られてくるんですけどそのうちの何機かをここに持ってこさせましょうか?」
と、言って作業員達に提案していったのである。
これに作業員達は、
「え!?人間界の、それもアメリカ軍の新型機!?」
「それを何機かここに!?」
「マジっすか!?ありがとうございます!!」
と、言ってテイルの提案に大喜びで飛び付いてきたのであった。
そしてテイルが提示したこの提案に作業員達のリーダーが、
「おう、テイル女王、今の提案なんだがちょっと良いかい?」
と、言ってテイルに話し掛けたのである。
これにテイルは、
「ええ、良いですよ。何の話でしょうか?」
と、言ってリーダーに尋ねたのであった。
これを受けてリーダーは、
「新型機をこっちに送ってきてくれるのは嬉しい。けど何で送ってくれるんだ?全部そっちで使った方が良いだろ?」
と、言ってテイルに尋ねてきたのである。
これにテイルは、
「短期的に考えればそうなんだけどね。でも長期的に考えれば魔界のリューネルン派と精霊界のマシンアーマノイド開発技術の水準を引き上げた方が後々私達の有利になると思うんだよね。だからあなた達に引き渡すんですよ」
と、言ってリーダーの質問に答えたのであった。