リューネルンとの交渉 その二
テイルにすぐに帰ろうと提案したアーシアにリューネルンが、
「主とは話をしておらん。しゃしゃり出てくるでないわ、無能が」
と、言って相変わらずの情け容赦が一切感じられない言葉をぶつけたのである。
これにアーシアが、
「ふざけんな。なんでもかんでもお前の意見が通ると思うなよ?ほらテイル、もう帰ろう?エンジニアはまた後でなんとかすれば良いじゃない?だからさ…」
と、言ってテイルにさらに提案していったのだが、これにテイルは、
「…ふぅ、テオ、ちょっとアーシアを抑えてて。でもきつく締め付けすぎたら駄目だよ?」
と、言ってテオにアーシアの身動きを封じるように命令を出したのであった。
これにアーシアが、
「うぇ!?なんで!?」
と、言って叫んだのであるがすでに背後に忍び寄っていたテオに締め上げられ、
「…ぐぇっ!?…テオ!?ちょ、待て、テイルにきつく締めすぎるなって命令されてたでしょ!?」
と、言って別の方向に叫んだのであるが、これにテオは、
「このぐらいでないとアーシアを抑えられません。命令の許容範囲内の出来事です」
と、言ってアーシアの言葉に反論したのであった。
こうしてテオがアーシアを抑え込んでいる間にテイルはリューネルンに、
「リューに借りを作りたくはないんだけど背に腹は代えられないからね。単刀直入に言おう。マシンアーマノイドのエンジニアを何人か貸してほしい。どうかな?リュー」
と、言って二つ目の話題をリューネルンに話したのである。
これにリューネルンは、
「…ほう…それが二つ目の話か。なるほど、これは確かにわらわがテイルに貸しを作れる内容の話じゃな?テイルや無能が話すのを嫌がるのも合点がいったわ」
と、言うと、続けて、
「…クックックック、ハッハッハッハ、ワーッハッハッハッハ!」
と、大音量で物凄く上機嫌そうな笑い声を上げると、
「良かろう!望むだけ…とは言えんがエンジニアの派遣を認めよう!その代わり見返りは期待しておるぞ?ああ、期限は設けんからその辺は心配せんで良いぞ?」
と、言ってテイルの頼みを聞いた上でテイルにエンジニア派遣の見返りを求める旨の発言を行ったのである。
これにテイルは、
「…無期限にしてくれたのをせめてもの優しさだと思うか…」
と、言って溜め息を吐くとテイルは、
「了解、交渉成立だね。それじゃよろしく頼むよ、リュー」
と、言ってリューネルンに右手を差し出したのである。
これにリューネルンも、
「うむ、わらわの方からもよろしく頼むぞ、テイルや」
と、言ってテイルの右手を握ると互いに笑顔を浮かべながら握手をしたのであった。
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