リューネルンとの交渉 その一
「ほう、魔王軍が使用している最新型のマシンアーマノイドをここでも建造している、と。これは良い事を聞きました」
リューネルンの母との世間話でそのような話を聞いたテイルはそう言って頷くとリューネルンの父に、
「あの父上殿、リューへの説教はまだ続きそうですか?少しリューと話したい事があるんですけど…」
と、言って尋ねていったのである。
これにリューネルンの父は、
「はぁはぁはぁ…、ふぅ、いえ、テイル殿、とりあえずは終わりました。娘と話したい事があるのでしたらどうかゆっくりと話し合って下さい」
と、言って半分死んだ魚のような目をしているリューネルンを見たのであった。
この言葉を受けたテイルはリューネルンに、
「おーいリュー、大丈夫?生きてる?」
と、言ってまずは声を掛けたのである。
これにリューネルンは、
「……テイルや、これが平穏無事に生きている生命体の姿に見えるのかの?」
と、言って逆にテイルに尋ねてきたのでテイルは、
「なるほど、半分ぐらい死んでるって事だね。それじゃあ…」
と、言ってリューネルンに右手を差し伸べると、
「能力発動、フルヒーリング」
と、言って自身の能力を使ってリューネルンを回復させたのである。
これにリューネルンは、
「…おお、癖になるこの感じ、懐かしいのう。すまんの、テイル」
と、言って自身の体調の回復させてくれたお礼をテイルに行うと続けて、
「…それでテイルや、わらわと話したい事とはどのような内容の話なのじゃ?」
と、言ってテイルに尋ねてきたのであった。
このリューネルンの問いにテイルは、
「うん、とりあえずリューとテオには戻ってきてもらいたいって言うのが一つ。これは普通に受けてくれるよね?」
と、言ってリューネルンに尋ねたのである。
このテイルの要請にリューネルンは、
「うむ、それは問題の無い要請じゃ。それが一つ目の話という事じゃったが他の話はなんじゃ?」
と、言って一つ目の頼みを軽く引き受けるとそれ以外の話をするようにテイルに伝えたのであった。
これにテイルは、
「…二つ目はねぇ…。リューに借りを作る話になるから出来ればしたくなかったんだけどねぇ…」
と、言って非常に言いにくそうにリューネルンに話したのである。
これにリューネルンは、
「…ほう?それは是非とも聞かせて貰わなければならん話じゃのう?」
と、言って目を輝かせながらテイルを見たのであった。
これにテイルは、
「だからリューに物を頼むのは嫌なんだよねぇ…」
と、言って溜め息を吐いたのである。
こんな状態のテイルにアーシアが、
「ねぇテイル。今からでも遅くないからリューネルンは放っておいて帰ろう!」
と、いう提案を行ってきたのであった。
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