リューネルンと父と母
応接室から出ていったリューネルンをテイルは、
「逃がさないわよ」
と、言って追い掛けていったのである。
そしてすぐに、
「ほい捕まえた。戻るよリュー」
と、言ってリューネルンを引き摺りながら応接室に戻ってきたのである。
その時にテイルは、
「あ、リューのお父さんお母さんこんにちは。私が言うのもおかしいんですけどどうぞ応接室に。みんな待ってますから」
と、言ってリューネルンの父と母に応接室に入るように伝えたのであった。
これにリューネルンの父と母は、
「おお、そうか、すまんな、テイル嬢」
「ありがとうございます、テイル殿」
と、それぞれにテイルに感謝の言葉を言って応接室に入っていったのである。
こうしてリューネルンの屋敷の応接室にリューネルン、リューネルンの父と母、テイル、アーシア、ジャンにテオの七人が集まったのであった。
ここでテイルは引き摺ってきたリューネルンを応接室の椅子に放り投げるとリューネルンに、
「とりあえず逃げるな。そしてお父さんに内政一式をテオに丸投げしようとしていた罪を裁いてもらえ」
と、言ってリューネルンの父に目を向けたのである。
これにリューネルンは、
「…ちょっと待つのじゃテイル。わらわのあれは罪と言う程酷い物なのかの?」
と、言ってテイルに尋ねたのである。
これにテイルは、
「多少なら私も目を瞑った。でも内政のほぼ全てをテオに任せようとかいうのはさすがに無視出来なかった。という事でお父さんに裁かれて下さい」
と、言ってリューネルンの言葉に答えたのであった。
これにリューネルンは、
「いや、待て。待ってくれ。父上の裁きは情け容赦がないから勘弁してほしいのだが?」
と、言ってテイルに父に裁きの丸投げをするのはやめてほしいと訴えたのだが、これにテイルは、
「断る。後はお父さんに裁いてもらえ」
と、言ってリューネルンに宣告するとリューネルンの父に、
「それでは後はお任せします」
と、言ってリューネルンへの裁きを頼んだのである。
これにリューネルンの父は、
「わかりました。では早速に…」
と、言ってテイルの言葉に応じた後、すぐにリューネルンに向き直ると、
「さてリューネルン、説教だ」
と、言って大説教を始めたのであった。
そうしてリューネルンが父に大説教を食らっているところでテイル達はリューネルンの母と世間話を始めたのである。
その内容はリューネルンとテオがテイル達と別れて魔界に戻ってきてからの生活や普段のリューネルンの当主としての仕事風景等多岐に渡る物になったのである。
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