応接室にて
テイル達が応接室の椅子に座って待っているとドアをノックする音が聞こえ、続けて、
「お待たせしました。お茶をお持ちしました」
と、言う声が聞こえ、ドアが開けられたのである。
そうして開けられたドアの向こうに立っていたのはお茶の入ったティーポットとカップが置かれたトレイを片手で、それも見事なバランスで持っている一人の少女であった。
その少女はテイルに、
「久しぶりです、マスター」
と、言って挨拶を行ってきて、これにテイルも、
「久しぶりだね、テオ。リューは優しくしてくれたかな?」
と、言ってその少女に声を掛けたのである。
このやり取りを見たジャンはテイルに、
「彼女は?リューネルン殿のメイドか何かか?」
と、言ってテイルがテオと呼んだ少女について尋ねたのであった。
これにテイルは、
「いや、違う違う。魔界に来る前に二人呼び戻すって言ったでしょ?一人がリューでもう一人がこのテオよ」
と、言ってテイルはテオを指差しながらジャンに話したのである。
このテイルの発言にジャンは、
「彼女が…もう一人のメンバー…?」
と、言ってテオを見ながら、
「…その彼女が何故お茶を持ってきたんだ…?」
と、言ってテイルに尋ねたのである。
これにテイルは、
「少し悪い言い方になっちゃうけど単純作業はテオに任せるのが一番だからね」
と、言ってテオを見たのであった。
これにテオが、
「はい、マスターの言われる通り、繰り返しの作業は私が行うのが最適です」
と、言ってテイルの言葉に応じたのである。
このやり取りを見ていたジャンが、
「テオさん、自分の事をそのように卑下するのは良くないと俺は思うんだが…」
と、言ってテオに話し掛けていったのである。
これにテオが、
「…?自分を卑下するとはどういう事でしょうか?」
と、言って本気でわからないといった感じでジャンに聞き返したのであった。
この返事にジャンが、
「…え?いや、それは…その…」
と、言って少し困惑する中、これまで黙っていたアーシアが、
「…テイル、そろそろジャンに種明かししてあげたら?」
と、言ってテイルに話し掛けたのである。
これにテイルが、
「それじゃそうするか」
と、言うとジャンに向き直ると、
「アーシアにも言われたから種明かしするけど、テオは人間じゃないんだよ」
と、言ってジャンに話したのである。
これにジャンは、
「…?それはそうだろう。魔界にいるんだから魔族なんだろ?」
と、言ってテイルに聞き返したのであった。
これにテイルは、
「いやぁ、そういう事でもないんだな。まあ実際に見せるのが一番か」
と、言って立ち上がったのである。
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