激突の終了
激突を続けるアーシアとリューネルンにテイルは近付いていくと、
「はい、二人共そこまで」
と、言いながらアーシアとリューネルンの間に割って入って激突を止めるとリューネルンに、
「特にリュー、あなたはもう暴れないで。部下達が引いてるわよ?」
と、言ってリューネルンの部下の魔族兵士に目を向けたのである。
この指摘を受けたリューネルンは部下達に、
「…ふむ、すまなんだな、兵達よ。久方ぶりにテイルと話せたので少しばかりテンションが上がってしもうた。許しておくれ?」
と、言って兵士達に謝っていったのである。
一方のアーシアはテイルに、
「…はぁ、はぁ…もうちょい…はぁ、はぁ…早くに…はぁ、はぁ…助けに…はぁ、はぁ…来られたんじゃ…はぁ、はぁ…ないかな…?はぁ、はぁ…」
と、言って助けにくるタイミングをもう少し早く出来たんじゃないかと尋ねたのであった。
この苦情にテイルは、
「ジャンに色々と説明してたからね。それでちょっと遅くなっちゃった。ごめんね?」
と、言ってアーシアに謝罪したのである。
しかしこれにアーシアは、
「…はぁはぁ、私とあいつがどういう関係かを、はぁはぁ、知ってるんだからもう少し、はぁはぁ、早く助けに来てくれた方が、はぁはぁ、嬉しかったんだけど、はぁはぁ」
と、言ってテイルにもう一度苦情をぶつけたのであった。
するとこのやり取りを聞いていたジャンが、
「二人共その辺で…。それにいつまでもここで立ち話をする事もないだろうし。出来れば…」
と、言ってテイルとアーシアに話すと視線をリューネルンのいる方向に向けて、
「どこかゆっくり出来るところで話したいんだが…」
と、口にしたのである。
するとこれにリューネルンが、
「ふむ、ジャンとやら、それはわらわの屋敷に案内せいと言う事かの?」
と、言ってジャンに尋ねたのである。
これにジャンは、
「…まあ、そういう事になります。どうでしょうか?リューネルン殿?」
と、言ってリューネルンの言葉に返答したのであった。
この返答を聞いたリューネルンは、
「ふむ、正直じゃの。ジャンとやら、嫌いではないぞ?それでは案内するとしようかの?わらわの屋敷に」
と、言ってジャンの言葉を受け入れてテイル達を自身の屋敷に連れていく事を認めたのである。
そうしてリューネルンは、
「では行くぞ?遅れるでないぞ?」
と、言うと自身の屋敷に向けて飛んでいったのである。
これにテイルは、
「リューの奴速いな。私がいるから大丈夫だって思ったかな?」
と、言うとアーシアとジャンに、
「遅れたらいけないからちょっと急ぐね?」
と、言って二人の手を掴むとリューネルンの後を追って飛んでいったのであった。
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