帰還前、医務室にて
テイルが十倉寺司令と一緒にいる事に安堵しているのとは逆にブラスト将軍とエマニュエル将軍は、
(やっとあの二人を寝かせてテイル女王を探しに行けると思っていたところにご本人登場は願ったり叶ったりなんだが…またしても邪魔者がいる!!しかもその相手が十倉寺龍寛!!終わった…)
と、考えて心の中で頭を抱えて涙を流したのであった。
テイルはそんなブラスト将軍とエマニュエル将軍の様子には触れずにアーシアとジャンの二人の事を、
「え~と、お二人がアーシアとジャンをここまで連れてきて寝かせてくれたんですよね?ありがとうございます。…それで二人は今どんな感じなんですか?」
と、言って尋ねたのである。
この質問にブラスト将軍とエマニュエル将軍は、
「…そうですね、二人共飲み過ぎで寝ているだけなのでその内目を覚ますと思います」
「二人共相当にお酒を飲んでいましたからね。こうなっても仕方ないという物でしょう」
と、言って答えたのであった。
この返答を聞いたテイルは十倉寺司令の方に向き直ると、
「…そうですか…。…でも帰りの飛行機の時間がありますから急いで行かないといけませんよね?」
と、言って十倉寺司令に尋ねたのである。
するとこの質問に十倉寺司令は、
「そうですね、アメリカの飛行機に同乗させてもらわなければいけないので遅れるわけにはいきませんからね」
と、言ってテイルの言葉に同意する発言をしたのであった。
これを聞いたテイルは、
「…という事は無理矢理にでも二人を連れていかないといけない事になりますねぇ…」
と、言って寝ているアーシアとジャンに目を向けたのである。
そしてテイルは、
「仕方ない、二人共私がおんぶして帰るか…」
と、言うとまずはアーシアをおんぶしてアーシアに、
「アーシア、ちょっと潰れるけど我慢してね?」
と、言って声を掛けるとアーシアの上にジャンをおんぶしていったのである。
この光景に周囲の者達は心の中で、
(…ええ…)
と、言ってテイルの行動にドン引くとこの光景を無言で眺めたのであった。
そんな中の一人になっていた十倉寺司令にテイルが、
「行きましょう、十倉寺司令。ブラスト将軍、エマニュエル将軍、今日はどうもありがとうございました。またお会い出来る時を楽しみにしております」
と、言うと医務室から出ていったのである。
これに十倉寺司令も続いて、
「それでは失礼いたします」
と、ブラスト将軍とエマニュエル将軍に挨拶をするとテイルを追い掛けて医務室から出ていったのであった。
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