テイルとケインの会談 その二
ケインの言葉にテイルは、
「それなら良かったです。…ああ、そうだ。私はあなたをどう呼べばいいんでしょうか?ケインさん?それともケイン将軍?それともそれ以外に何かありますか?」
と、言ってケインの言葉に感謝の言葉を話した後でケインをどのように呼べば良いのかを確認したのであった。
これにケインは、
「それこそ陛下がお好きなように呼んでいただいて結構ですよ?ケインさんでもケイン将軍でもそれ以外でも、陛下が呼びやすい呼び方で呼んで下さい」
と、言って頭を下げたのである。
するとケインの発言を聞いたテイルは、
「それならケインさんと呼ぶことにします。それでなんですけどケインさんはもう飲まないんですか?一人だけで飲んでるとどうも…」
と、言って呼び方を決めた上でケインに酒のおかわりをしないのかと問い掛けたのであった。
これにケインは、
「…そうですねぇ…。それなら私もおかわりをしましょうか。シアード君、すまないが私のラム酒のおかわりのもらってきてくれないかな?」
と、言ってシアードにラム酒のおかわりを頼んだのである。
これにシアードが、
「わかりました。行って参ります」
と、言ってラム酒のおかわりをもらいに行ったところでアランがワインを持って帰ってきたのであった。
そしてアランはテイルに
「テイル陛下、お待たせ致しました。只今ワインを御持ち致しました。…ですがまだラム酒があるのですね…どうしましょうか…」
と、言って思案顔を見せたのである。
これにテイルは、
「ああ、すいません。すぐに飲みますね」
と、言って二杯目のラム酒も一気飲みしたのであった。
そしてテイルは、
「お待たせしました。それではワインをいただけますか?」
と、言ってアランに声を掛けたのである。
これにアランも、
「畏まりました。それではテイル陛下、どうかご賞味下さい」
と、言ってワインを差し出したのである。
これをテイルは、
「ありがとうございます」
と、言って頭を下げて受け取るとケインに、
「ケインさんのラム酒がくるまではこのワインを飲むのは待ちますね」
と、言ってワインを持ったままでケインとの雑談を再開させたのであった。
「ケインさんはお酒は強い方なんですか?」
「…どうでしょう?普通より少しは強い方だと思うのですがね…。そういう陛下はお酒に強いのですか?」
「これまでに三十回以上飲み比べをしましたがそれで負けた事は一回も無いですね」
「ほう、それはお強い。そういう話を聞くとお酒に強いという人に憧れの思いを持ちますね」
「そうですか?いくら飲んでも酔えないっていうのはちょっと辛いですよ?」
「…ほう、なるほど、飲める人には飲める人の苦悩がある、という事ですね」
「そういう事ですね。まあ無い物ねだりなんでしょうけど」
「という事は先程の私の発言、これも無い物ねだりなんでしょうかね?」
「多分そうだと思いますよ?」
「…そうですか…」
二人の会話はシアードがラム酒のおかわりを持ってくるまで続いたのであった。