二回目の多数決の結果
テイルの言葉を聞いたトーマス博士は、
「…いいんですか?私の勝ちになりますよ?」
と、言ってテイルに尋ねたのである。
これにテイルは、
「勝負事ですから構いませんよ。悔しいですけどね。…それよりも今は…」
と、言って素直にトーマス博士の勝利を認め、すぐにフランツの方に目を向けたのである。
そしてフランツの様子を見ながら、
「…あれは相当ショックだったみたいですね…」
と、言って今のフランツの心境がどうなっているかを予想したのであった。
これにトーマス博士は、
「まあそうでしょうね。フランツ殿自身も各国出席者に話をして歩いていたようですから…」
と、言ってテイルの言葉に応じたのである。
そんなトーマス博士の言葉を聞きながらテイルはフランツに、
「フランツさん、反対の方々の多数決もお願いします」
と、言って多数決を進めるよう促したのである。
これにフランツは内心でテイルの事を、
(クソ小娘が!)
と、言って罵ったのだが、表情には一切出さずに、
「わかりました。それでは反対の方は挙手をお願いします」
と、言って反対意見の多数決を行ったのである。
この結果、ルール改正に反対意見のある国は最初の半分以下になったのであった。
この結果にトーマス博士は、
「…確実に負けるとわかっている多数決を行う気分というのはどういう物なのですかね…?」
と、誰かに聞かれる事を想定していない声量で呟いたのである。
するとこれにテイルが、
「少なくとも私に対してはクソ小娘ぐらいは思ってそうですけどね」
と、言ってトーマス博士の呟きに反応したのであった。
これにトーマス博士は、
「聞こえていましたか。それにしても一国の女王にクソ小娘呼ばわりは…。…まあ私がフランツ殿の立場なら間違い無く言ったでしょうが…」
と、言ってテイルの言葉に自身の考えを返していったのである。
こんな感じでテイル達が話しているところにフランツが、
「…あの、一つ提案があるのですが…」
と、言って話し掛けてきたのである。
これにテイルは、
「はい、なんでしょうか?」
と、言ってフランツの言葉に応じたのである。
このテイルの言葉を聞いてからフランツが、
「…大変わがままな提案なのですが、三回目の多数決を行う事は出来ないでしょうか…?」
と、言ってテイル達だけで無くこの場の出席者全員に問い掛けたのであった。
これにテイルは、
「…反対派が負けたからといって最初の約束を破ろうとするのはどうかと思うのですけど…」
と、言ってフランツの提案を断る発言を行ったのである