二回目の多数決
フランツの宣言で二回目の多数決が始まろうとする中、トーマス博士がテイルに、
「テイル陛下、陛下は二回目の多数決での賛成派の得票数はどのぐらいになると予想されますか?」
と、言って尋ねてきたのである。
これにテイルは一言、
「賭けますか?」
と、言ってトーマス博士に聞き返したのであった。
これにトーマス博士は、
「いいですね。何をいくら賭けますか?」
と、言ってテイルの提案に乗ってきたのである。
そんなトーマス博士にテイルは、
「…そうですねぇ…賭ける物はお金で…100ドルでどうでしょうか?」
と、言って賭ける物の内容を具体的に話したのであった。
これにトーマス博士は、
「わかりました。それでは私からいって良いでしょうか?」
と、言って了承すると自分の方から予想の発表を行おうとしたのである。
これにテイルが、
「ええ、どうぞ」
と、言って即承諾したのでトーマス博士は、
「では私の予想ですが…八十票とさせていただきます」
と、言って予想票数を発表したのであった。
するとこれを聞いたテイルは、
「私の予想と近いですね」
と、言って感想を言うと続けて、
「それでは私の予想ですけど、私は八十三票と予想します」
と、言って予想票数を発表したのである。
そうして二人がそれぞれの予想を発表したのとほぼ同時にフランツが、
「それでは二回目の多数決を行います。ルール改正に賛成の方は挙手を」
と、言って二回目の多数決を開始したのであった。
これにテイル達は一回目に続いて挙手をしたのである。
一方でフランツは二回目の賛成派の得票数に驚愕したのであった。
ざっと見ただけでも票数が二倍以上に増えており、正確に数える前から反対派の票数を圧倒しているのがわかった為、フランツは表情や仕草には出さなかったが心の中では盛大に頭を抱えて突っ伏したのである。
そんなフランツの心情がわからないテイル達はフランツに、
「…フランツさん、賛成派の票数は何票ですかね?」
と、言って尋ねていったのである。
この問い掛けで我に返ったフランツは、
「…そうですな、賛成派の票数は…八十一票です」
と、言って賛成派の得票数を発表したのであった。
するとこれを聞いたテイルは、
「八十一でしたか、惜しかったですね…」
と、言って悔しがり、トーマス博士は、
「私は一票差でしたね。これはどうしますか?引き分けですか?それとも票数の近い方が勝ちにしますか?」
と、言ってテイルに尋ねていったのである。
これにテイルは、
「票数が近い方が勝ちで良いでしょう」
と、言ってトーマス博士を見たのであった。