政府専用機内にて その二十二
テイルの申し出に松本総理と十倉寺司令はそれぞれが、
「よろしいのですか?我々にとっては願ったり叶ったりの申し出なんですが…」
「…ありがたいお話しなのですが、陛下にご迷惑をおかけするわけには…」
と、言って意見が割れてしまい二人は思わず顔を見合せたのである。
二人のこの反応にテイルは、
「私達の事はお気になさらず。それにこれからの発言内容は非常に失礼な物になりますと先に言っておいてはなすんですが、私達のフェリアシティ王国と日本は共に滅亡国家仲間ですから遠慮される事はありませんよ。それに私達に迷惑をかけると思っているのなら今度は私達が日本に援軍要請を出しますから、その時に二つ返事で引き受けてくれれば良いだけです」
と、言って色々と説明していったので松本総理と十倉寺司令は、
「そうですか。それでは私としましてはやはりテイル女王の申し出を受けたいと思います」
「…わかりました、それではフェリアシティ王国の軍事支援、ありがたく受けさせていただきたいと思います」
と、それぞれに言ってテイルの申し出を受け入れたのであった。
これにテイルは、
「どういたしまして。私達の方も何か私達だけでは少々苦戦しそうな時は日本に援軍要請をするかもしれないので、その時はよろしくお願いしますね?」
と、言って松本総理と十倉寺司令に頼んだのである。
するとこの様子を見ていたジェームズ皇帝が、
「それぞれの軍、そして国が相互協力をする、という事ですな」
と、言って三人に話し掛けると続けて、
「それではその相互協力方針に我々アメリカも加えてもらっても良いですかな?」
と、言って三人に提案していったのである。
これにテイル、松本総理、十倉寺司令の三人は、
「私は別に構いませんよ。…最悪アメリカをこっちに引きずり込む口実が出来たとも言えますし…」
「私も歓迎します。と、いうより日本政府としましてはこれまでもこれからもアメリカと連携して動こうと思っていましたので、その申し出はありがたい限りです」
「私も松本総理と同様の理由で歓迎します。気が早いかもしれませんがジェームズ皇帝陛下、よろしくお願いいたします」
と、言ってジェームズ皇帝の提案を受け入れたのである。
これにジェームズ皇帝は、
「…若干不穏な言葉が聞こえた気がしますが、気のせいという事にしておきましょう。それではテイル女王、松本総理、十倉寺司令、三人ともよろしくお願いします。トーマス博士、証人としてしっかり見聞きしておいてくれよ?」
と、言ってアメリカ、日本、フェリアシティ王国の相互協力体制の成立を宣言したのであった。