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大森林で出会う  作者: 葉月 優奈
四話:大森林で魔王の卵と出会う
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シラキの光は、フォーゴを包み込む。

その光は、暖かく優しい光だ。

魔法を使えないあたしでも、ぬくもりの光を感じられた。

なんとも不思議な感覚で、悪くない。


(これは、愛の力)

フォーゴに対する、シラキの気持ち。

シラキが思う、フォーゴへの気持ち。

二人の気持ちが、ユニゾンしていてつながっていた。


「私の力、奇跡の力です」

「凄い、本当に」

「まだです、オジミさん」

「何?あたし?」

「あなたには、その刀があります」

シラキの言葉は、フォーゴの周囲を包む闇に向けられた。

暖かい光の中に、差し込む影。


その影こそ、魔王の卵だ。

フォーゴが倒そうとする、邪悪な存在。


「あなたのその刀で、フォーゴさんを救って」

「でも……」

フォーゴと違って、あたしは普通の人間だ。

バンガディの灘忍だけど、それでも普通の人間だ。

フォーゴと違い、選ばれた使命をあたしはもたない。


「あなたなら、できます。フォーゴも、ちゃんと見ています」

「わ、わかっているけど……あたしにあの影が切れるの?」

「これを」そう言って、シラキが投げ渡したのは小さな小瓶だ。


「精霊樹液……これって巫女が儀式で使う……」

名前は知っている、巫女が使えるトリアードの加護を受けた薬だ。


「巫女の力を強めるモノですが、ソレを刀に」

「え?」あたしは言われるままに、小瓶の蓋を開けて刀の刃に振りかけた。

すると、刀の刃が緑色に光っているのが見えた。


「その刀で、影を切って!」

「うん」あたしは迷わなかった。

目の前には、苦しむフォーゴ。背後に光を放つシラキ。

あたしの手には、緑の光を纏う刀を握っていた。


「お願いします」

「ああ、お願いされるわ」

刀を構えて、あたしは向き合った。

あまりにも大きく邪悪な影に対して。

それと同時に、あたしは斬りかかった。

フォーゴの後ろにいる影は、ユラユラと顔を見せつつ揺れていた。



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