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花の章  作者: 藤弥伽
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第二十五話 もう一つの贈り物

第二十五話 もう一つの贈り物


 あれから髪飾りは変わらず、緋梅の髪に挿し込まれている。

 桃姫が身にまとう薄紅梅色の領巾(ひれ)に、緋梅が髪に挿している赤や桃色の花の髪飾り。二人の絆を象徴した贈り物は、色()せることなく、今も存在し続けている。

 「そういえば、白櫻は貰ったのかい、緋梅からの贈り物。」

 「…嵩臣殿…この流れで聞いてくるのかよ。」

 白櫻は、呆れた顔で嵩臣に視線を向けた。

 何とか話題をそらそうとしたが、嵩臣から、それを許さないかのような圧を感じ、白櫻はため息をついた。

 「それで貰ったのかい?贈り物。」

 「…貰ってないよ。」

 「ん?」

 嵩臣は首を傾げた。そんな嵩臣を見て、白櫻はもう一度ため息をついた。

 「白櫻も桃姫と同じ年に花護目(かごめ)になったのだろう?」

 「…そうだよ。」

 「それは緋梅も知ってるよね?」

 「…ああ。」

 (たた)み掛けるように嵩臣が問いかけてくる。白櫻は曖昧(あいまい)に返事をすることしかできず、水知も苦笑いをするしかなかった。

 「どうやら緋梅が忘れていたようなんです。白櫻も桃姫と同じ年に花護目になることを。」

 「忘れていた?あの緋梅がかい?」

 「おそらく桃姫の事で頭がいっぱいだったのかもしれません。」

 桃姫に贈り物を渡したいと緋梅本人から聞いていた水知。その当時の緋梅は何を贈ったら喜んでもらえるか、花護目の役目をこなしながら夜遅くまで考え、準備していたのを思い出した。

 白櫻や桃姫よりも早く花護目の役目を受け継いでいた緋梅は、花護目がいかに大変であるか知っていた。自分が花護目になったばかり頃、先代の花護目達に支えてもらったから、微力だが今度は自分が支える番なのだと、水知に語っていた。

 「桜園(さくらその)から花便りを送る時にでも気づかなかったのかな?」

 「桜園からの花便りはないよ。大樹の開花を、他の園の花護目には伝えるけど、桜園は桃園からの花便りを受け取るだけなんだ。ー桜園から梅園(うめその)に花便りを送ることはない。」

 先代の桜園の花護目であった白櫻の祖父に聞いたことがあった。なぜ、桜園から梅園へ花便りを送ることができないのか。桜園が花便りを送ることができないのは、桜の開花時期と梅の開花時期が関係しているのではと考えられていると、祖父は言っていた。先人達が残した文書も読んでみたが、それらしき内容は書かれていなかった。

 「それに俺と桃姫が花護目になった年の桜の開花時期に、別の梅園で色々あったみたいで、庭園に緋梅が来れなかったんだよ。」

 頬杖をつきながら白櫻は言った。

花の章第二十五話を読んでくださりありがとうございます!!

今回は、白櫻への贈り物についてをメインにしてみました…。

総括すると、「どんまい、白櫻」ですかね…。

そして、二十五話の後半に花便りの謎がまた一つ出てきました…。


それでは、花の章ちょこっと説明書。

今回は、『大樹』について軽く説明させていただきます。

花の章内の『大樹』は、各園にある樹齢の長い巨木です。桜園には『桜』、桃園には『桃』、梅園には『梅』の花の大樹が存在しています。この大樹達を守るのが白櫻達『花護目』の最大の役目です。

この大樹達は、他の同種の木達とは異なる力を持っています。その力とは、今後のお話で展開されますので、お待ちいただければと思います。


花の章「第二十五話 もう一つの贈り物」を読んでくださり、誠にありがとうございます。

ご感想等お待ちしております。


藤弥伽

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