表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
花の章  作者: 藤弥伽
2/23

第二話 三樹の美花

お久しぶりです、藤弥伽です。

前回の続きです!

第二話  三樹(さんじゅ)美花(みはな)


 『三樹の美花』とは白櫻(はくおう)桃姫(とうき)緋梅(ひうめ)の3人のことである。この世の者とは思えないほどの美しさであることから、この名が付いたのである。そして、3人がそう呼ばれる所以(ゆえん)はもうひとつある。それは、『花』である。白櫻は桜、桃姫は桃、緋梅は梅の妖--化身でもあるからだ。

 そして、彼らにはある役目が存在する。それは、『花護目(かごめ)』という、自分達の住まう園にある大樹を守ることである。花便りとは、その大樹の花が咲いたことを知らせる便りのことである。(いにしえ)から続いており、3人もそれを先代の花護目から受け継いだのである。しかし、花便りが届かなくなったのはこれが初めてではなかった。

 「前に花便りが来なくなったのって、緋梅と出会う前だったよね。」

 「ええ、緋梅が言うには、先代が病で動けなくなったからって言っていたわ。」

 梅園の先代の花護目も緋梅と同じく瘴気に弱く、床に就くことが多かった。だが、それでも花護目としての役目を全うし続けた。それは、花護目を受け継いだ緋梅も同じである。

 二人は溜め息をついた。

 「溜め息なんかついてどうかしたのかい?」

 狩衣(かりぎぬ)を着た青年が歩いてきた。青年の名は嵩臣(たかおみ)と言って、れっきとした人間である。

 「なんだ、嵩臣殿か。」

 「物好きよね。人間なのにわたし達妖に普通に接して来るし。」

 「ほんとだよね。」

 二人がそう言うのも無理はない。だが、この嵩臣という男は普通の人間ではない。生まれながらにして、霊力を持ち合わせており、幼き頃から陰陽師として、妖や瘴気を祓い続けてきた。

 本来であれば、祓う者と祓われる者同士。会話どころか、会う事すら危険である。しかし、嵩臣は、人も妖も同じ命だからと言って、分け隔てなく接している。

 「相変わらず冷たいなー。せっかく花便りを持ってきたのに。」

 「は?」

 「白櫻、桃姫。」

 白櫻と桃姫が聞きたかった声が聞こえた。その声の方へ振り向くと、長身の男と一緒に歩いてくる緋梅の姿があった。


登場人物紹介

白櫻・・・桜の妖(化身)。常日頃からお酒を飲んでいる男の妖です。

桃姫・・・桃の妖(化身)。舞の名手と呼ばれる程の実力を持つ女の妖です。

緋梅・・・梅の妖(化身)。瘴気に弱い女の妖です。


今後もこのように登場人物などのことを後書きの方で書いていきますね。ご意見・ご感想、お待ちしております。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ