第七十三話……灰色の海
流石に体力がやばくなり、隔日投稿の日曜休みに予定変更いたしました。
毎日書いている方は凄いです。
今日の天気は雨。
最近の暖かい陽気も、少し水を差された感じ。
――
メンデム将軍はアーベルムの政庁にて不機嫌な面持ちでライン・シュコーの話を聞いていた。
「……相分かった、もう、下がれ……」
メンデム将軍は姪の嫁ぎ先の家臣を下がらせると、大きな窓から恨めしそうに海を眺めた。まだ冬の面影もあり、海は灰色の体をなしていた。
――
「ブヒブヒブヒ~♪」
ブタとポコは老騎士に言われた通りにモロゾフの家の前に来ていた。
モロゾフは体力が回復すると、ブタ領の外れの小高い丘に小さな借家を借り、そこに住んでいた。庭には木の実がなった大きな木が目立つ。
「もしもしブヒ~♪」
ブタとポコが呼びかけるも返事はない。
裏手に周りこむと突然に窓が開き、モロゾフという老人に睨みつけられた。
「なんのようだ? 小僧!!」
「え……、え~っと、お元気ですか?」
「見ての通り元気になった、世話になったな、小僧」
「よかったブヒィ~♪」
「では、さらばだ!!」
ビシッと雨戸が閉まる。
……(´・ω・`)
「気難しいおじいさんポコね」
「ブヒィ……」
ブタとポコがヨチヨチあるきで帰路につこうとすると、モロゾフのお付きと思われる男にでくわす。
「これはこれは、ご領主様こんにちは」
男は背中に背負った籠を下ろし帽子を取ってあいさつした。
「こんにちはブヒ!」
「こんにちはポコ~」
「ご領主さまがこんなところまで何用で?」
男はなぜブタが来たか不思議に思ったようだった。
「実はウチの爺やがモロゾフさんをスカウトしろって言ってるブヒ」
「ほほう……」
男はなるほどという顔つきにかわる。
「でね、追い払われたブヒ」
「そうポコ」
「しかし、それは何と言いますか、ウチの旦那様は偏屈ですからな」
男はやれやれといった感じの笑みを浮かべた。
「ブヒィ」
「ポコ~」
二匹は男に別れを告げ、藁ぶき屋根の屋敷にもどった。
――
ブタは帰宅するとポコと仲良く手を洗い、老騎士の執務室に入った。ここは当初はブタの私邸だったはずなのであるが、業務効率の為に半分公邸化してきている。
「失礼しますブヒ~♪」
老騎士はどうやらブタを待っていたようであった。
ブタちょこんと丸椅子に着席すると、アーベルムより急ぎ駆け戻ったライン・シュコーが報告をはじめた。
――
報告が長引き、ブタがうとうとし始めると、
「ボルドー伯爵の領土では、逆らうものは皆地下牢獄行きだと!?」
老騎士が声を荒げると、ブタははっと起きた。
「はい、そのようです」
女アサシンが重ねて肯定する。
「なんだかひどいブヒ!!」
「あはは、殿、我ら貴族に酷いとか汚いとか言っている暇なぞありませぬぞ」
老騎士は快活に笑ったが、困惑しているブタの表情を見て、なんだか温かい気分になった。
「皆様、夕餉の準備が整いました」
女官の報告を聞くや否や、
「某はこれにて御免」
と、老騎士は逃げるようにニャッポ村へ帰還していった。
何を隠そう、リーリヤとウサが毎日エビフライを作るのだ。
7日連続朝昼晩21回目。もう流石に美味しくない。
テーブルに着いたブタは、狡賢くエビフライ地獄から逃げ去った老騎士の言葉を思い出す。
『あはは、殿、我ら貴族に酷いとか汚いとか言っている暇なぞありませぬぞ』
みなさまの【ご感想】が当ブタ作の栄養源になります (`・ω・´)ゞ ご感想感謝~♪
【ブタ的なレトロ戦争ゲーム用語集】……戦闘工兵
ゲームにより重歩兵やエリート兵と呼ばれることもある。歩兵と同じく拠点制圧が出来き、かつ携帯式の重火器も使う。
が、いかんせん雇用コストが高い。序盤にそんな良いユニットを雇えるわけもなく、意外と出番はない。唯一あるとすれば、車両がはいれない山岳地帯主体のMAPである。敵味方入り混じって歩兵科だけの戦いが展開される。
現代の先進国においては、歩兵が重装備化しており区別はできない。ただし映画などでは肉体派主人公が機関銃の弾を大量に巻き付けた姿でバズーカ砲も扱う場面も多い。
ちいさいころ、巻きつけた弾をいつ使うのか不思議に思っていた ( ˘ω˘)←懐古
当ブタコメディーは【にゃっぽり~と航空】様と【(非公式)アスキーアート同好会】様の提供でお送りしました。