表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
72/108

第六十六話……【モロゾフ将軍記⑧】 ──冬は去る──

お読みいただき有難うございます。


世情は暗いですが、拙作が少しでも皆様の暇つぶしにでもなれば幸いです。

春の足音に冬は去る。

王国の強兵も北国を去る。





「……馬鹿な!?」

「皇帝陛下の御為よ……」


 トリグラフ帝国とハリコフ王国は停戦協議を進めていた。


 王国が提示した前提条件には、味方兵士にも無慈悲だった戦争犯罪人『モロゾフ』の公職追放があった。

 それさえ飲めば、対等な講和条件が帝国に提示されていたため、モロゾフ将軍は即時に追放処分となった……。



――

 順次段階的な交渉が進められていくが、それは勇敢な兵たちではなく、理知的な文官の主役たる戦場に移行していった。



「将軍、名残惜しいですが……行きますか?」

「……あまりいい思い出も無いし、名残惜しくはないかな?」


 そうにこやかに元将軍は親友の元司令に言葉を返し、雪解けの帝国領を去っていった。





――

「ぶひぶひ」

 相変わらずブタ族の住民が多いニャッポ村では、村を挙げてのお祝いムードだった。


 なにしろ、初代領主さまの結婚式である。

 道には出店が立ち並び、美味しい匂いが立ち込め、酒臭い住民でごった返した。


 厳しい冬が抜けたのも大きかった。

 村はずれの畑には、黄金色の麦が収穫を待ちわびていた。



 邪教の館別館で式を挙げた後。

 村の最も大きな旅館を貸し切り盛大に披露宴が行われた。



 披露宴の主役は、きれいに着飾り楽しそうなリーリヤと、大変緊張の面持ちのブタ。


 見た目はまさにブタに真珠だった。

 彼らの二人の後ろには、二代目の護衛隊長に抜擢されたンホール教騎士団団長を兼務するアーデルハイトが目を光らせる。



 貴賓席上席には、ハロルド王太子代理キッシンジャー伯爵と、港湾自治都市アーベルム最高議会議長代理マイヤー外相。


 二人は、この場で目の前の相手を厳しく牽制し合った。



 キッシンジャー伯爵は王太子の側近で、実は反ドロー派だった。

 このころになると、王太子の地位は確立されてきており、後ろ盾の大身ドロー公爵と側近達は水面下で争うようになっていた。


 当然にブタ達の結婚式でも、自分たちの権勢の絶好のアピール場であったのだ。



 ……しかし。


「はい、リーリヤ様。ジュースですよ~♪」

「ありがと~♪」


 Σ( ̄□ ̄|||)


「リ……リーリヤ様ですと!?」

 キッシンジャー伯爵は目を剥いた。



 幼い主人公たちにジュースを給仕している中年の女性は、名をアルサン侯爵という。


 そう、大身の侯爵様が、所詮は田舎子爵夫婦に、甲斐甲斐しくお酌をしているのだ。

 特に、アルサン侯爵の出席を知らされていなかったキッシンジャー伯爵は目を白黒させていた。


「はぃ~新郎様の一気飲み~♪」

「ぶひぃぃぃ!?」



 政争に明け暮れる披露宴になると思っていた老騎士は胸をなでおろし、隣の席の義兄であるアガートラムと再び乾杯をした。



「ぶひぃぶひぃもう飲めないぶひぃ」



 ……ブタよ、一気飲み頑張れ!!(謎の声)


みなさまの【ご感想】が当ブタ作の栄養源になります (`・ω・´)ゞ ご感想感謝~♪


【ブタ的なレトロ戦争ゲーム用語集】……自走砲


ついに格闘ネタ編とりあえず終了 (;'∀') ネタが厳しくなったww

で、お次はレトロ戦争ゲームネタです。


自走砲とはあまりなじみがないが、あるゲームがヒットしたためにやたら有名に。

陸上の間接攻撃の覇者。

最悪、前衛部隊は安上がりの歩兵でもいい(酷w)

自走砲の咆哮に、沢山の重戦車がスクラップになっていったのだった。


実際の現代戦においては、航空機とミサイルの発達が顕著で出番はない様である。浪漫がないね( ˘ω˘)


当ブタコメディーは【にゃっぽり~と航空】様と【(非公式)アスキーアート同好会】様の提供でお送りしました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
i000000
(バナー作:「砂礫零」様)

i000000
(バナー作:「秋の桜子」様)
― 新着の感想 ―
[良い点] おお、将軍カッコイイ……! でも、追放とは王国甘いなあ……。 そこまで追求するなら、後の憂いを断つにも処断が適当だと思いましたが……。 ああ、それとも、ひとまず追放処分にしといて闇から闇…
[一言] 確かに新郎はよく飲まされますよねw ブタ君頑張れ!w >実際の現代戦においては、航空機とミサイルの発達が顕著で出番はない様である。浪漫がないね( ˘ω˘) わかる( ˘ω˘ )
[一言] 自分が代わりに飲む(ウサ)とかはなしで。 戦車と自走砲の違いを熱く語るようになったら、その人はもう・・・ ゲームは何でしょう? ガ○パンでその名を馳せたのはⅢ号突撃砲ですが
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ