第四十九話……実験
誤字脱字報告有難うございます。
夜分、蝋燭だけが灯るバートルム砦の中で首実検が行われていた。
──最初に落武者の兜をかぶったブタ族の生首。
でっぷりと太ったそれは、オーク族戦士【ミズロー】のものだった。
──バートルム砦攻撃時に、ブタは四本目の矢が体に達すると白目をむいて気絶。
ブタの側廻り筆頭であるミズローは、素早くブタから兜を剥ぎ取り自らが被り、役目を果たした。
そのとき、ブタは意識不明の重傷で後送されていた。
ミズローはオーク族にしては珍しく酒が飲めず、人は良いが話下手で、仲間と打ち解けるのが下手だった。ブタが酒を飲めないこともあり、ブタ領初期のころより身辺警護を担当していた。
──
「おのれドローめぇぇぇええ!」
老騎士ヘーデルホッヘはその両目から涙を流し絶叫した。
ドロー公爵はブタ達の限りない勢力拡大を抑えるために、ハリコフ王国の宿敵である港湾都市アーベルムを唆し、更には彼らに重要拠点であるバートルム砦の正確な位置を教えたことが、赤毛のライン・シュコーの手の者よりもたらされた。
砦内の捕虜であるアーベルム作戦参謀たちからの証言がそれを裏付けていた。
ライン・シュコー達がもたらした情報はそれにとどまらなかった。
──
ハロルド王太子を擁立するドロー公爵の目論みは、次期宰相の椅子である。
当然、ハロルド王太子の周りが全てそれに賛成しているわけではない。
ハリコフ王国の最高地位は、神の代理たる国王であるが、その下に三つのポストがある。
──宰相、大元帥、海将軍の3つである。
宰相は、王国内政の頂点。
大元帥は、王国陸上兵力の頂点。
海将軍は、王国海上兵力の頂点。
ちなみに現国王レーデニウスⅢ世は大元帥を兼任している。
大陸国家であるハリコフ王国は、港湾都市アーベルムとの戦いで、ただでさえ小さな海上兵力を喪失。再建真っただ中であり、海将軍の地位は極めて低く、申し訳程度に東方諸侯の一人【アルサン侯爵】が紙の上に名前だけをとどめていた。
よって実質的に実りのある、臣民が望む最高位は宰相ということなのである。
よって王太子の後見人であるドロー公爵への権力集中には、表向きはともかく貴族達の間では不満もたまっていた。
特にブタの寄親でもあったボロンフ辺境伯爵においては、ブタの寄親の地位をドロー公爵に奪われたこともあり、捲土重来を図っていた。
……が、このような情報をなぜライン・シュコーが手にしたのだろうか? 確かに彼ら彼女らは優秀であったが、その人手は十分とは言えなかった。
みなさまの【ご感想】が当ブタ作の栄養源になります (`・ω・´)ゞ 感謝~♪
【ブタ的五輪用語集(サッカー編)】…コーナーキック
CKと表される。FK→cK、ミドルシュート→CK CK→CK と攻撃を防いだ後にもやってくる連鎖的狂気。その場所からしてオフサイドはない。が、FKと違い場所が決められていることから練習と対策が出来る。五輪本戦では、ここが上手に守備ができるかどうがが重要。また、この後のカウンターまたはカウンター対策も課題。
ブタ的レベルにおいては、小学校のころ「こ~な~で一点一点~♪」とか呪文のように聞いた覚えがある。
マジでCKキックは、草サッカーレベルでは凶器。フットサルとかは更に凶器。なんとかしてつかぁさい (´;ω;`)ウッ…
当ブタコメディーは【にゃっぽり~と航空】様と【(非公式)アスキーアート同好会】様の提供でお送りしました。