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第四十八話……鮮血

誤字脱字報告有難うございます。

──『のぼれ!』『後悔が無いように……』


 その日の夕日はとても奇麗だった。



「殿! 陣頭はおやめくだされ!」

「殿! おさがりを!」

「殿! お願いします!」


 ブタは峻険な地に建つバートルム砦の麓の断崖を、先頭を切って登っていた。


 すでに彼の装備する落武者の鎧は、敵方の矢でハリネズミのようになり、ブタ自身の体に到達した矢も3本を数えていた。


 既に、ウサはブタを守ろうとして、砦側の矢と魔法を受け滑落し、重傷。後送されていた。


 ブタを止めようと、ブタ領首脳部は突出。



──ブタは愚かか?

 中身は中学生である。


 当然に怒りに燃え、赤き血は煮えたぎり沸騰した。




──

「急げぽこぉぉぉ!」


 バートルム砦のブタが存在する正面と反対方向の搦手には、ポコとビットマン、そしてヴェロヴェマ率いる骸骨赤備え3000名が配備を急いでいた。


 何としても、敵の本体の後詰が来る前に落とす必要があった。敵の方が強大な戦力を持つために、少なくとも地の利を得たかった。

 今ならバートルム砦の構造なわばりや通路、廓の配置は同じであり、ブタ側の方が砦の構造に詳しかった。

 よって、奇襲や強襲が紙のうえでは成立した。




──

「ブタ討ち取ったりぃぃぃ!!」


 敵方の歓声が響き渡る。



「ガァァァ……」

 タヌキの目は血走り、小さな悲鳴をあげる。


 それに続き。


 ゴオォォォォォ! と地鳴りが砦周辺に響き渡る。


 夕暮れの逆光の中から、とんでもない巨躯を誇るサイクロプスのビットマンが砦の中を覗き込んでいた。


 その怒り狂った巨人は城壁を貪り食った。巨人の口からは血しぶきがほとばしり、その血しぶきの中から、深紅に染まった骸骨兵がなだれ込んできた。



「動くもの全てを殺せ!」


 咽喉から震えた声を絞り出すヴェロヴェマ。地獄絵のような風景に城兵は怯んだ。


 狂気じみた殺戮がバートルム砦を襲う。

 堅固な正門も打ち破られ、ハイオーク達が怒号を上げながらなだれ込んでくる。


 日が沈む前に、砦の最も高い塔に白旗が上がり、その塔から城将の首が投げ捨てられた。



 それを見て、我に返った両軍は潮が引いたように矛を収めた。


みなさまの【ご感想】が当ブタ作の栄養源になります (`・ω・´)ゞ 感謝~♪


【ブタ的五輪用語集(サッカー編)】…4バック


DFが4人で待ち構えるタイプの防御システムです。

4人も守備要員は多いような気もしますが、その実両サイドのサイドバックは攻撃時には長い距離を駆け上がります。

反対に3バックだと、サイドバックの仕事をMFのサイドハーフが受け持つことになり、単純にこのシステムだからどうこうという話でもありません。


ブタ的レベルにおいては、アンカーを置いてもらうかスイーパーを置いてもらうかします。真ん中から相手をよりサイドに押しやるのがサッカーの守備の基本だと思います。


当ブタコメディーは【にゃっぽり~と航空】様と【(非公式)アスキーアート同好会】様の提供でお送りしました。



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― 新着の感想 ―
[良い点] えええええ! ウサでびっくりして、ブタでさらにびっくりしました! 大丈夫ですかぁぁぁぁっ!? ポコの運命が気になります!
[一言] えええええ!?!? ブ、ブタアアアアアア!!!!!
[良い点] デカいのはいいことだ。 恐るべし、サイクロプス。 城壁なんてあって無いようなもんですな。 ブタは……まあ、大丈夫でしょう。 耐久力だけは鬼やったし。(笑)
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