第三十二話…貨幣
誤字脱字報告有難うございます。
今日の天気は小雨、作業するのにはちょっと寒い。
──反乱討伐軍指揮官用幕舎内。
「……。」
アガートラムは焦っていた。
もともとの彼は、純粋な武人気質で持久戦などは彼が最も苦手としていた。
が……、
「ぶひぃ?(オーク語)」
「ぶぃぶぃぶ~(ブタ語)」
(´・ω・)(・ω・`)ゴニョゴニョ。
……ハイオーク族族長アガートラムのイラつきを見たブタは一策を献じた。
ブヒブヒブヒ……。
──近隣の集落。
「お母さ~ん♪」
病に伏した母親に小さな娘が抱き着く。
子供が見せた小さな木片に母親は驚く。
【銅貨25枚之証・ハリコフ王国アイスマン蛮族辺境子爵】
きっちりとした鮮やかな朱色の印璽も描かれていた木片は、いつでもアイスマン子爵を名乗るものが、この木片と銅貨25枚を交換することが明示されていた。
かの子爵は、表向きは領地にいて(木製人形だったが)、いつでも交換に応じる構えだった。
もちろんこの精巧な木片も交換予定の銅貨もポコ製だった。
木片の製作に至っては、ポコは昨晩徹夜であった。
……通貨が大量に供給されれば、相対的に物価があがりインフレになる。
赤毛の女アサシン【ライン・シュコー】の部下の情報では、この地域の住民は北方戦線を支える労働力の提供が求められていたが、北方戦線より遠く離れていたため、代替税として4戸あたり銀貨10枚の供出を求められていた。
が、換金するための農作物は極めて高い取引税を市場の管轄人に支払うことになっており、換金さえままならず、遂には反乱が起きたのだった。
ブタはヨチヨチと周辺の村々を周り、三日三晩木片を配り続けた。
その後、この地域の徴税官には、4戸あたり銀貨10枚(銅貨100枚相当)にあたる税が、アイスマン子爵が振り出した木簡札によって大量に支払われた。
官吏としては、王国の正式な貴族が振り出した証票が『通用しません!』とは間違っても言えない。
また、この証票は【アイスマン銅札】として、換金されることなく王国内で流通することとなる。
徴税が完了したのをみて、砦に立てこもっていた反乱軍は自然と逃散した。よこしまな野望を携えた者もいたが、不満が収まった民衆を扇動することはどんな知者でも能わなかった。
その後、ブタは筋肉痛で寝込み、タヌキは睡眠不足で倒れた。
ウサは……
【システム通知】……ウサはスキル【中級土木管理人】をGET!しました。
一人元気なようである……(´・ω・`)
貨幣流通は中世において極めて困難であったことは歴史が証明している。
では、なぜ人々はブタの木片を信じたのか?
……それは、スキル【土のにほい】のせいだったのかもしれない。
みなさまの【ご感想】が当ブタ作の栄養源になります (`・ω・´)ゞ 感謝~♪
【ブタ的五輪用語集(サッカー編)】……フォワード
FWと表記される。南米の有力選手など一人で得点を取ってしまう選手もいるなど、他より個性的なポジションともいえる。パスを受けて味方の上りを待つ等【ポストプレーヤー】型や、DFラインを独力で切り裂く【スピードスター】型など多種にわたる。
日本のような組織型サッカーだと、相手のDFラインのボールホルダーに対してのプレスなど【前線からの防御】もFWの重要な仕事となってきた。
しかし、どこのチームでもFWに最も期待される仕事は【点取り屋】である。確実にチャンスを決めてくれるような選手にファンは陶酔する。
ブタ的には、FWはヘディングができるイメージ。あがったクロスを頭で何とかしてくれ!とみんな思う。
当ブタコメディーは【にゃっぽり~と航空】様と【(非公式)アスキーアート同好会】様の提供でお送りしました。