第十九話…三頭
……今日の空は、熱核兵器焼け。
ゲームの空はうって変わって澄み渡る蒼。白い雲一つない。
──
「ポリー・クローディスともうしますわ! オホホ!」
── ブタ領領主への正式な謁見に際しては、家宰のヘーデルホッヘ、軍務役アガートラム、内政役ンホールが招集され、最も上座には豪奢な洋服をまとい威厳あるひげを蓄えたブタがいた。
……(´・ω・`)
…………ごほんごほん、もといブタの木製人形がいた。
──当の本人はというと、戦闘をしていた。
相手は屈強なる領民さらい達。
領主として領民は貴重な資産でもあるため、面子の上からも決して逃げることのできない問題だった。
「にゃ~❤」
「ぉぉ! こんなとこにレアなモンスターがいるぞ!」
と、喜んで猫らしきものに近づく領民さらい達。
──ガラガラガラ
……(´・ω・`) また落とし穴にかかったでござる。
ブタ達が上からのぞくと、領民さらいと呼ばれる【人間の冒険者】たちは降伏の意を示していた。
ぱんぱかぱ~ん!
【システム通知】 …… 人間の冒険者を100名撃破! よって称号【冒険者ハンター】をGETしました。これによってより一層モンスターと仲良くなれるようになります。
【システム通知】 …… レベルが4人とも25になりました。
ヾ(゜∀゜)人(゜∀゜)人(゜∀゜)人(゜∀゜)ノ ぽこうさぶひぃandにゃん~♪
ブタ達が治安維持活動……もとい、レベル上げをしていたころ、【アイスマン領役場】の会議室では【三頭政治】が行われていた。
(´・ω・`) ……家宰にして筆頭騎士ベルン・ヘーデルホッヘ(人間)
(`・皿・´) ……軍務役にしてハイオーク族族長アガートラム(オーク族)
(*´д`*)……内政役にして邪教の館司教レイシ・ンホール(菌類)
(´・ω・) (・皿・´) (´д`*) 絶賛会議中~♪
(……ちなみにブタ領の邪教の館に祭られている神像は、愛の神であり *+**/// ´,_ゝ`)*´д`*♡♡ な感じである)
……
「某は……」
「ワシは……」
「ンホォォォ……」
一人と一匹と一体は、会議室を出て「エッサホイサ」と力を合わせてブタ人形を運び、そして再び上座の椅子に座らせた。
一同も着座し、老騎士が発言する。
「よいこらせっと、これがね権利書ね、お嬢ちゃん」
──見目麗しい美少女であるポリー・クローディス商館長は美しい目を、受け取った羊皮紙に向けた。
「よろしゅうございましてよ!」
クローディス商館長が受け取ったのは、港湾開発許可証だった。一般に様々な利権が絡む港湾開発に外部の者が携わることはない。
が、彼女はブタたちが手に入れた【特級小麦】を粉にして【ケーキ】に変えてしまったのだ。
……これにより、ウサとゴダイが見事に甘味で陥落! 【クローディス商館】はものの見事にブタ領港湾工事受注の運びとなったのである。
……つまり、ポリー・クローディス商館長はその美貌と恐ろしいまでの知略(?)の持ち主であった。
【今日のブタ的な卓球用語】 … 『ループドライブ』
主にし下回転のボールに対して、極めて強い上回転をかけ返す方法である。一般に弧を描くように語られることも多いが、上級者は極めて低い打球となるためそのように感じられることはない。
ブタ的レベルでは、横回転もかけてめっちゃ高い弧を描くドライブにする。が、そもそもミスって成功率が低い (・ω・`;)
当ブタコメディーは【にゃっぽり~と航空】様と【(非公式)アスキーアート同好会】様の提供でお送りしました。