第十壱話…渉外
今日の空は岩の天井。まさか焼け出された上に、縛られて洞窟ドナドナとは……(;'∀')
物凄く低くて怖い声の主は、この辺り一帯のモンスター達の取りまとめ役である【ハイオークの族長】だった。姿かたちは大きな猪を二足歩行させたモノに似ている。肌は青白く、息遣いは静かなものの、眼は怪しい赤色に光っていた。
「ブヒブヒ」
「ぶぅぶぅ」
……豚族系会話45分経過。
話を聞くに、ボロンフ辺境伯爵はこのあたりのモンスターを追い払い、人間にとって安全な交易路を作る予定である。
対して、このあたりのモンスターのとりまとめ役である【ハイオークの族長】は、周辺部族に号令し、ボロンフ辺境伯爵と決戦に至った。
が、双方とも大きな犠牲と血なまぐさい損害が出たため、ボロンフ辺境伯爵も【ハイオークの族長】も以降は決戦を回避し、長対陣と相成った。
双方えん戦気分に陥り、緊張状態はつづくものの久しぶりにのどかな日々が森をつつんだのだった。
ここにきて、事情はともあれボロンフ辺境伯爵の先兵たるブタが、この森の近くに橋頭保を築いた形となったのである。
よって、城塞などを建築される前にハイオークの族長が先制し、ブタのくつろぐ丸太小屋に火をかけるという奇襲攻撃にでたのだった。
……。
ハイオークの族長は立派なあごひげをさわりながら苦虫を噛むように呟いた。
「ワシはな、戦いたくはない。が、ボロンフなどに怯えてはいない。むしろ決戦はワシののぞむところ。しかしながらボロンフの奴と長い時間を戦うわけにはいかぬ。」
「なぜでござる?」
貧相なブタが問い返す。
「(戦時中の)メシが用意できぬ!」
(;’∀’) …それは重大でござるな。
「戦わなければいいでござろう?」
「それは無理だな。道が敷設され、しいてはワシの求心力が下がればこの森は種族や部族による争いが先鋭化する。人間なぞに弱みを見せては若い奴らは決してワシには従わんわ!!」
……重々しい会話がブヒブヒと続く。
刹那ブタが吠える。
「ぶひぶひぶひひひひひぃぃぃぃぃ……」
【システム通知】 … スキル【遠縁の近い】が発動します! 義兄弟が召喚されます。
ぼぅ~ん~♪ という怪しげな煙の中からポコとウサが現れた。
「ぽこ?」
「うさ??」
二匹ともふてぶてしく釣りモードMAXである。
(´・ω:;.:… ……絶対に拙者のことを忘れているでござらんかね??
(´・ω・)(・ω・`)(・ω・`)……相談中。
……決!!
「拙者たちは、食料援助を約束するでござる!」
「なぬぅ??」
……ブタたちはボロンフ辺境伯爵に従いつつ、且つハイオークの族長側にも食糧援助を行うと約束したのだった。
いわゆる、後世の人間たちに苦々しく語り継がれる【豚豚同盟】の成立であった。
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【今日のブタ的な卓球用語】 … 『ストップ』
相手のサービスをネット際に短く返球するレシーブ。
短く返すには回転と威力を読む観察眼も要求される。が、一般レベルでは学生経験者などが試合で繰り出す上級技術でありトンテキにはほぼ関係ないww
当ブタ作は【にゃっぽり~と航空】様と【(非公式)アスキーアート同好会】様の提供でお送りしました。