登場人物紹介
――主人公サイド――
■天宮湊
年齢:16歳 男性
趣味:秘湯巡り
好きなもの:銀色の髪、冬の湖畔
嫌いなもの:平凡で退屈な奴、時間
固有能力:【天付九属性】(「最大十二特性」「優先権」)
10属性の力を操る。
【黎明の神器】(「性質付与」「三面作用」)
槍と双刀を顕現できる。天付九属性と併用することで何かしらの力を発揮する。
【霧の妖尾】(「偽装」「眼尾共有」)
【真偽の瞳】(「精神干渉」「真相見識」)
嘘やステータスを視ることが出来る。
本作の主人公。あらゆる才能と特殊な体質を持って生まれたせいで幼少の頃より人との関わりを避けてきた過去を持つ。自分と自分が認めた者以外の全てを下等と見做し、姿形だけ似ているという理由で彼らを粗悪品や劣等種と呼び忌み嫌っている。蓮と友達になってからは体面を装いつつ人との交流を行ってきたが、内心は以前のまま。アルシェのことは割と気に入っており、特に能力による恩恵とはいえ自分を凌ぐほどの付与技術と回復魔法には一目置いている。何気に召喚された勇者の中では最年少。
■アルシェ=フィリアム
年齢:15歳 女性
クラス:支援超特化型→ 結界師
特技:楽器演奏、聖書の音読
好きなもの:国民や家族
苦手なもの:酸っぱい食べ物
好きな人:湊
固有能力:【聖者の瞳】(「予知眼」「千里眼」)
二つの特性はどちらも単一不干渉空間たる運命に干渉し、その中で「予知眼」は予定調和の運命を視ることが出来る。この能力の本質は再編可能な運命の未来予測であり、数多ある分岐の中から高い確率の運命が優先して見せられる。そのため予定された運命が覆るほどの強い“外因”が加わることで未来は再編される。だがこの能力の特性上、能力保有者たるアルシェが起こす事象は全て織り込まれているため、彼女の行動で予定調和の流れを変えるのは実質不可能と言える。
そしてもう一つの特性「千里眼」は運命の集約点である“現在”を司る。これは見たい人物や場所を鮮明に思い浮かべることで発動可能となり、同時にこの時視た情景は自動的にマークされる。「千里眼」とは謂わば目印を設けて視点を切り替えるポイント転換の能力であり、これと「予知眼」を組み合わせることで過去に見た現在までの未来を視ることが出来る。そしてこの時の霊力消費量は各々経過した時間や目印までの距離により決まる。
【結界魔法】(「結界干渉」「万能効果」)
特性「万能効果」は回復や付与魔法など、支援に関するあらゆる事象を引き起こす。それを「結界干渉」を用いて操作することで効果の底上げや霊力消費を抑えるといった操作が可能となり、またその時対象も任意に選択できる。結界は物理、回復、付与など用途に応じて使い分けが可能で、2つの特性のおかげで乱戦にも対応できる。
本作のメインヒロイン。フィリアム王国第2王女にして最大宗派セレェル教の聖女。非常に聡明かつ物腰柔らかな性格であり、先の襲撃では亡くなった者達に心痛めると共に、生き残ったサーナ達の無事を知って涙を流していた。湊には自身の危機を救ってもらった事から恋心を抱いており、後に自分の立場で彼に懸想して良いのか本気で悩んでいる。家族の事は大事に思っているが、同時に王家の中で自分だけ役割を全う出来ていないことに引け目を感じている。特に本来湊と添い遂げるべき姉には複雑な感情を抱いており、幼い頃からの憧れであると同時に彼女のコンプレックスの原因にもなっている。
――帝国陣営――
■郁真爽弥
年齢:18歳 男性
クラス:近接魔法剣士型
特技:勉強、スポーツ全般
好きなもの:優しくて元気がある人
苦手なもの:ノリが軽い人、雨の後の猛暑
特殊能力:【反転の剣】(「属性付与」)
帝国に召喚された勇者の内の一人。リーダー的志向が強く、自分の与り知らぬところで話が進んだり意見が通らないとショックを受ける事もある。伊織と柚乃とは幼馴染で、彼女達が明らかに好意を寄せているのにも気付かない位には鈍感。勇者の命を賜った際は酷く混乱したが、時間を置き人々の悲願を叶える為にと訓練に励んでいる。何気にルルカをライバル視しており、日本にいた頃は彼女に成績を抜かれないかとヒヤヒヤしていた。
■奈々瀬伊織
年齢:18歳 女性
クラス:拳闘士
趣味:今どきの音楽を聴くこと
好きなもの:甘いお菓子
嫌いなタイプ:うるさい奴、酔っ払い
好きな人:爽弥
帝国に召喚された勇者の内の一人。爽弥に恋する乙女の一人でもあり、幼馴染の柚乃とは友人でありライバルでもある。性格は善く言えば正直で誰に対しても物怖じせず嫌な事は嫌とハッキリ言える心の強さを持つが、その際高圧的に迫るせいで敵を作りやすい。日本にいた頃は柚乃と結託して爽弥に近づく輩を排除していたが、ダリミルに来てもその考えは変わらないでいる。また休日平日問わず行動を共にすることの多い3人だが、度々インドア派の柚乃とアウトドア派の伊織とで言い争いが起こる。
■瑞季柚乃
年齢:17歳 女性
クラス:魔法使い(一撃必殺型)
趣味:恋愛小説(ハッピーエンド以外は認めない)
嫌いなタイプ:話に割り込んでくる人
好きな人:爽弥
帝国に召喚された勇者の内の一人。爽弥に恋する乙女の一人で、彼ともう一人の幼馴染である伊織とは友人かつライバルの関係でもある。彼女とは違ったアプローチで爽弥の気を引こうと考えており、嫋やかに見える立ち居振る舞いはそんな女性らしさを追求した彼女なりの努力の賜物である。3人の中では口数が少なく一見無害を装っているが、その実邪魔になりそうと判断すれば伊織以上に容赦がない。勇者としての活動には乗り気でないが、爽弥に良い所を見せるという点では悪くないと思っている。
■秋羽ルルカ
年齢:17歳 女性
クラス:弓兵
趣味:色々
好きなもの:湯豆腐
嫌いなもの:冷ややっこ
帝国に召喚された勇者の内の一人。日本人の父と異国の母を親に持つハーフで、皆が今の学年に上がる際に海外から転入してきた。人好きのする性格と容姿からすぐに学校中の人気者となり、そのように注目を集めたせいで伊織と柚乃からは敵意を持たれている。日本のオタク文化にも精通しており、コロコロ変わる一人称や語尾はその影響によるものだと思われる。ただし時々日本人でさえ首を傾げるような慣用句が飛び出すこともあり、その知識を何処で仕入れているかは本人のみぞ知る。
■神埼みくる
年齢:17歳 女性
クラス:投擲士
趣味:図書館に通うこと(気持ちよく眠るため)
好きなもの:静かでゆっくり出来る場所
嫌いなもの:昼寝の邪魔になる騒音
帝国に召喚された勇者の内の一人。おっとりとした性格の持ち主で、他が手に余らせるルルカとも近い感覚で話すことが出来る数少ない内の一人。普段は上の空といった感じだが、状況理解が早く異世界に召喚された際も直ぐに現実を受け入れるなど適応力の高さを見せる。また、本人曰く感情を表に出すのが苦手なだけで感性自体は普通の人と同じらしいが、ルルカと会話が通じてる時点でそれは無いと皆から一蹴されたことがあり、意外にも根に持っている。
■玉ノ森茜
年齢:17歳 女性
クラス:弓兵
帝国に召喚された勇者の内の一人。小心かつ臆病な性格で、オタク組とはまた違った意味で人見知りを患っている。忘れ物を取りに教室へ戻ったところ、偶然居合わせた今のメンバーと異世界に飛ばされるという経緯がある。そのため現在どこのグループにも所属しておらず、強いて言えば個性が強く、しかし自分といても迷惑そうな顔をしないルルカやみくると一緒にいることが多い。部活は弓道部に所属しており、意外にも皆より戦闘技術で先を行ってたりする。
■谷繁悠斗
年齢:17歳 男性
クラス:重装戦士
一人称:「某」
好きなジャンル:主人公最強系
帝国に召喚された勇者の内の一人で、海山谷トリオの中のぽっちゃり担当。他二人と比べ物怖じしない性格であり、割と話の弁も立つため3人の中ではリーダー的ポジションにいる。召喚当初こそ周囲と同じように混乱したが、話の展開が彼が好んで読んでいる小説と類似するためそこまで事態を重く考えておらず、今では自分の特殊能力が何かという風に状況を楽しんでさえいる。また、精神的な余裕があるためか元の世界に帰れないなどとは微塵も思っていない。
■大山和人
年齢:17歳 男性
クラス:盾役
一人称:「拙者」
好きなジャンル:ハーレム系
帝国に召喚された勇者の内の一人で、海山谷組のデブ担当。縦にも横にも広い超重量級のオタクで、他二人のことは唯一無二の親友にして最大の理解者だと思っている。元の身体能力や運動センスに関しては見掛け通りと言う他無く、動ける方のデブこと悠斗や線が細い直哉とはまた違ったハンデを背負っている。故に、職業発表でタンクを言い渡された際は相応のショックを受けており、分かっていたとはいえ自分に後方魔導士としての才能がないこと、それにより前衛へと送られたのは不本意だと後に二人へ愚痴を漏らしていた。
■海原直哉
年齢:18歳 男性
クラス:魔法使い(牽制,物量型)
一人称:「自分」
好きなジャンル:成り上がり系
帝国に召喚された勇者の内の一人で、海山谷組のひょろガリ担当。悠斗と和人とは高校に入って暫くしてから知り合っており、微妙に二人とは合流した時期が異なる。というのも、過去に何かしらのいざこざに巻き込まれてからそれ以来、人と関わりを持つことにトラウマを抱えていたからである。元来気弱という事もあり、趣味が同じであろうと自分から話しかけることはしなかった。そこを悠斗と和人が根気強く話しかけ、今では和人と同じく二人の事を唯一の友人と認識するまで関係を深めていった。
■アルザード・ロ=ガルシア
年齢:57歳 男性
好きなもの:戦い、酒、太陽
嫌いなもの:余の栄光を阻むもの
ガルシア帝国(旧ルトーン州)初代皇帝にして「影の小国」に光を齎した者。見た目通りの豪気な性格で、典型的なバトルジャンキー。成り上がりで五大国の地位にまで上り詰めた国のトップらしく実力主義を謳い、未だ真価を発揮しない勇者たちに発破をかけるもその度にアンドレーフにお灸を据えられる。実は過去に無道流という、武術の発展を目的とした組織に身を置いていたことがあり、そこで大甲(上から二番目)の地位にまで昇り詰めるも立場の問題から脱退した経緯を持つ。
■レムリア=アンドレーフ
年齢:32歳 男性
好きなもの:時間内業務
嫌いなもの:説教(する方)
特殊能力【鷹目の呪法】(「五項低下」)
当時若干25にして宰相の地位にまで上り詰めた若き天才。武官が殆どを占める帝国上層部で彼らを纏める中核的役割を担っており、彼が居ない日には市井に荷が下りないとまで云われている。無表情に見えて喜怒哀楽はしっかりと存在し、元の世界に帰れなくなった勇者たちに同情を示すなど共感性にも優れている。皇帝の事は雑に扱ったりもするが、実は小さい頃に凱旋したアルザードを間近で見たことがあり、その時から彼を補佐する人間になりたいと思っていた。尚、本人に言うと絶対調子に乗るので、この事は誰にも打ち明けたことが無い。
――公国陣営――
■早川嘉輝
年齢:20歳 男性
好きなもの:スポーツカー
嫌いなもの:才能あるイケメン
三大公家の一つであるルドリヒト家擁する勇者の青年。日本にいた頃は普通の大学に通っていたが、特に目標など無いまま惰性で日々を過ごしていたところにダリミルから召喚を受ける。最初こそ戸惑いを見せたが、自分が勇者で特別な人間であること、おだてられると調子に乗りやすい性格もあって直ぐに状況に順応した。一方で駆け引きに弱く、ルドリヒトが自分を利用して何かを企んでいても気付く素ぶりすら無く、湊と比較したオルガからはそもそもの出来が違うと酷評されている。
■ロイマン・A=ルドリヒト
年齢:66歳 男性
好きなもの:富と権力
嫌いなもの:命令を遂行できない無能,他の御三家
公国御三家の一つ、ルドリヒト家の現当主にして先の襲撃事件を企てた張本人。女の身でありながら自分より影響力をもつ巫女姫に劣情を抱いており、王国と彼女の名声を地に落とすため盗賊を嗾けた。オルガとは一時的な協力関係にあるが、どこの馬の骨とも分からぬ彼の事を少し強いだけのムカつく駒程度にしか見ていない。襲撃が半分失敗に終わると憤りを露にし、その際「あの御方」なる人物のことを呟くが、勇者を使って再び何かを思いついたらしく今はその準備に当てている。
■オルガ
年齢:声からして40歳前後 男性
クラス:剣士
好きなもの:不明
嫌いなもの:不明
黒のフードを目深に被った人物で、先の襲撃事件で湊とアルシェを追い詰めた。レベル差があったとはいえ湊を一方的に捻じ伏せ、最後は能力を発現した勇者に腕を斬り飛ばされる。その後適切な処置のお陰で何とか腕が治るが、直後勇者に施した散々なトレーニングを目にし、怒りと呆れを滲ませた。過去彼を人の道から外れさせる何らかの要因があったことが推察でき、その出来事に「ペトラ」なる女性が関係しているのは間違いない。
――王国サイド――
■フィリアム王家
アルシェの他に父と姉と弟がおり、母親は弟を産んだ直後死亡したため物語開始時点では既に故人。実は王国から遥か東にある極東からの移民で、風呂や着物といった本来ミロス地方にない物はここから来ている。王国に来る前は巫女として崇められていたらしく、その技術を継いだ姉が偉業を為したことで『巫女姫』の名を冠するようになった。現在は体調を崩した国王(父)に代わり政を行っているが、正教会に力を付けられては困るという理由でアルシェを城に閉じ込め、それが彼女に劣等感を植え付ける最初の原因にもなった。
■サーナ=ウォーク
年齢:28歳 女性
好きなもの:辛い物
嫌いなもの:甘味
特殊能力:【強制振動】(「活動」)
ウォーク家に代々受け継がれる継承スキルの一つ。触れたものを活動させたり、過活動を起こして人体を破壊するといった使い方が為される。
ウォーク家の令嬢にしてアルシェ専属の騎士。有事の際には一個師団を任せられるほどの権限を持っており、今回の極東遠征でも両国の友好を図る目的で送り出されたアルシェの護衛を務めている。帰りの道中でオルガ率いる盗賊の襲撃に遭い、彼女と護衛二人を森に残してしまったことに深い絶望を感じている。とある事情のせいでアルシェの周りに人を置けない巫女姫が、唯一例外として許可しているのが彼女であり、王族を除いてアルシェと一番多く会話したのも彼女である。
■ゴルヴとシュターク
森の中で盗賊からアルシェを逃がすため自爆し、見事に職務を全うした二人。能力があっても平民で身分を伴わない彼らが、同じく平民上がりで構成された部隊へと入隊し不当な扱いを受けていたのにサーナが気付き、そこから救ってもらった過去がある。そのため自分達を拾ってくれたサーナと、わざわざ遠征のたびに部隊を指名してくれたアルシェには深い恩がある。平民だなんだと馬鹿にしてきた奴らには胸がすく思いだったが、出発前の巫女姫の鋭い視線には最後まで慣れなかった。




