表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/44

5 訓練開始!

 さて、こうして父の『5歳児でも分かる戦いかた』が始まったのだが、ジゴクダッタ。


 まずは走り込み。最初は歩かされた。家の周りや庭をずっと歩くんだ。父が後ろにいるから立ち止まることはできない。朝の五時頃から一時間程歩いたのだが、太ももやふくらはぎはパンパン、足の裏は真っ赤になっていた。何日も続けていると早足になった。この頃に父から歩く姿勢を注意されるようになった。背筋を伸ばすだとか左右の足の歩幅を同じにするとかだ。

 それから数ヶ月で少しずつ走るペースが上がり、上半身のトレーニングも始まった。腕立て伏せ、腹筋、腹斜筋、後背筋などの基礎トレーニングを7歳になるまで続け、戦い方は全く教わる暇がなかった。

 7歳になる最近、ようやく木剣を振り始めた。体に合わせてある40cm程の両刃の直剣なのだが、やたら重い。まあ気のせいだろう。今はこの剣を振るしかない。師匠である父に言われたんだからな。まずは素振り100回だ。


 ~~スコティニア視点~~


 私の名前はスコティニア。最近の朝の日課は大切な一人息子の訓練を『見守る』ことだ。息子のトモヤは5歳の誕生日に「戦い方」を教えてほしいと言ってきた。トモヤのステータスははっきり言って異常だ。まだ五歳なのに鍛えている(・・・・・)八歳の子どもと遜色ない値なのだ。この子もそれはわかっているはずなのだが、それに(おご)らずに更に強さを求めるとは、将来が楽しみだ。


 トモヤは7歳になった。10歳になるまでは走り込ませるつもりだったのだが、これ以上はいくら龍人族でも説明できないステータスになってしまう。俊敏値に至っては200を越えているのだ。仕方がないのでもう木剣を振らせることにした。

 しかしこの木剣には仕込みがしてある。鉛を剣の形に加工したものを木で覆ってあるのだ。勿論重心などは普通の剣と同じようにしてあるが重量は通常の5倍はある。

 まあ、目の前でブンブンと元気よく振っているバカ(トモヤ)がいるわけだが・・・。筋力値も100は越えているからな。剣の型を教えても2,3回で動き方を覚えて反復練習に入るし。これは知力値が高いからだろうか。

 だが気になることがある。息子の歩き方と剣の受け方だ。この国の民のものとは歩き方が違うのだ。まるでこの国の西の隣国『ヤマト』の民のようだ。剣の受け方にしても、『ヤマト』に源流をもつという刀術に近いものを感じる。・・・・・・。今度、刀術の師範代を招いてみるか。


~~グリーシナ視点~~


 今日もトモヤちゃんは木剣を振っています。あの子は半袖を好むので今もその綺麗な腕を日差しにさらしています。7歳の子どもとは思えないほど引き締まった腕です。そもそも腹筋が六つに割れた7歳児って他にいるのかしら?まだ素振りしかしていないから肌に傷はないけれど、手や足の裏は固くなってきていますから、ちょっと不安です。

 ああ、やっぱりトモヤちゃんは可愛いですね~♪でも、あの子は魔法には興味が無いのかしら。今度少しだけ氷属性の魔法を見せてあげることにしましょう。そうすればトモヤちゃんと一緒にたくさんお話しできますもの!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ