3 寝る子は育つ
俺が前世を思い出したとき、俺はまだ生後半年だった。離乳食って結構早い段階で食べ始めるんだな。1歳位だと思ってたよ。しかも、
「トモヤちゃ~ん、ごはんの時間よ~♪」
まだ授乳もするのだ。今声を掛けてきた女性が俺の母親だ。見た目は18歳頃、身長150cm位、髪色は薄い水色、瞳はアメジストのような薄紫、顔立ちは癒やし系、そしてとても細身で美人なのだ!(胸はDと推測)しかし、親子の本能があるためかこの母に対しては欲情する事がない。
「よいしょっと」
母は少し重そうに俺を抱え上げる。まだ生後半年なんだがなぁ。
「奥様、あまり無理はなさらないで下さいませ」
母の隣で表情を変えずに心配しているメイド服の女性は母専属のメイドだ。名前はアリシア。年は40代後半、なんだかアリシアに凝視されている。しかし赤ん坊には食事と睡眠以外に大切なものはないのだよ。母は上半身の服をはだけ、『ごはん』を俺に与える準備万端だ。ちなみに母の名前はグリーシナだ。
「大丈夫ですよ、アリシア。私はこれでも龍人なんですからね」
母は俺を右腕で支えると左腕で力こぶをつくりドヤ顔をした。可愛いなあ。
「ふぁぁ」
『ごはん』で満腹になった俺は眠くなってきた。寝る子は育つだ。お休みなさい。
「あら、もうおねむかしら?」
母が俺を抱え直し、背中を優しくポンポンと叩く。少し飲んでしまっていた空気がゲップで出てくる。俺は幸せな気分のまま眠りについた。