24 学園長1
ワシの名前は『ロウ・ディ・マクネスタ』。ただの老いぼれた『ハイエルフ』じゃ。今では学園長をしておる。
歳は・・・・・・。千から先は数えるのも止めてしまったわい。ホッホッ。
こんなに歳をとってくると、楽しみは生徒達の成長と友人たちの子孫を見守ることくらいなんじゃ。
そして最近は友人の孫がとくに面白い。ソヤツの名前は『トモヤ』、『古龍』の友人はこの子が可愛いくて仕方がないらしくしょっちゅう自慢をしてくる。わざわざヤツが『人化』をして学園まで自慢に来るんじゃぞ!?そりゃ気になってどんな子か直接見たくもなるわい。実際に会ってみると確かにとんでもない子じゃった・・・・・・。
わずか7歳の子供が『風魔法:ウィンドカッター』を使っとるんじゃぞ!?普通は10歳になってやっと体内の『魔力』に気づけるくらいじゃ。どんなに天才でも魔力を体内で『循環』させるのが限界のはず・・・・・・。おまけに父親から近接格闘の稽古をつけてもらっておる!
魔法を使える者の多くは接近戦を考えておらん。『近づかれる前に倒しきれる』と言っとるが、それができなかったときのことを考えておらんのじゃ!それに比べてトモ坊はしっかりと戦闘に使える技術を貪欲に吸収しようとしておる・・・・・・。将来が楽しみなような恐ろしいような・・・・・・。
今年はトモ坊が学園に入学する。実に楽しみじゃ!じゃがのぅ・・・・・・。先日『王』から『召還された勇者とその友人たちを入学させてやって欲しい』という依頼があった。おかげで多少の余裕があった宿舎があっという間に埋まってしまったんじゃ。おまけに『勇者』は自己中心的で我が儘という噂もある・・・・・・。頭が痛いわい・・・・・・。
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今日はいよいよ入学式じゃ!ワシの挨拶は本戦の直前、選手の組み合わせを発表するのと併せてちょこっとするだけじゃ。トモ坊が本戦にでるのは間違いないじゃろう。楽しみじゃのぅ♪
学園長室で先程職員から受け取った本戦の対戦表を見ていると一人の生徒が飛び込んできおった。この子は普段礼儀正しい子じゃ、よほど焦っておったのじゃろう。ノックをしなかったのは責めんでおくことにするか。
「どうしたんじゃ、そんなに慌てて?珍しいのぅ」
「が、学園長!先程の予選前の挨拶は何ですか!?新入生はともかく在校生達が困惑しています!」
ほ?予選前に挨拶なぞしとらんのだがのぅ。まあこの子に言っても仕方がない。おおかたあの馬鹿じゃろうて。生徒から詳しい話を聞いたワシは溜息をつきながら会場に向かうことにした。そろそろ向かわなくてはならん時間じゃったしのう。
会場に着くとワシの声に似た声が響いておった。
「『天真爛漫』のアリスと『リア充の片割れ』のトモヤだぁ!!羨ましんだよ、こんちくしょう!!!」
ソウダソウダァァァーーーー!!!!!!!!!!!
ナニヲヤットルアノ馬鹿ハ!!
「名前の前に付けたのは二つ名だ!俺の独断と偏見で付けたものだが気に入ったなら皆で呼んでやれ!!」
リア充ノ片割レェェ!!爆ゼロォォ!!
学園長がそんなことを言ったら生徒達が真に受けるじゃろうがこの大馬鹿者が!!仕方がない・・・・・・。
「じゃ、じゃあ。第一試合から始めるぞ!他の者はステージから降りt
『このバッカモォン!!』ドコォ!!
派手に登場してコヤツを徹底的に懲らしめねば調子に乗ってしまう生徒も出てくるじゃろう。
「貴様はなぁにワシの真似をしておる!?生徒達から聞いたがポーズをとったり好き勝手してくれたようじゃのぅ!?今月の給料は期待しておれ。アホンダラァ!!」
「ひえぇ!お、おゆるしをぉ」
「さっさと元に戻れこのバカたれぇ!!」
ワシの足の下で揺らぎがおこったあと、ようやく本来のヤツが表れる。新入生達にも説明をしていかないとのぅ。
「こやつは元聖騎士のアイガスじゃ!ときどき誰かに化けたりしているから気を付けるようにのぅ!」
全く、余計な仕事を増やしおって。
「これより、本戦第一試合を開始するぞい!該当選手以外は選手控え室で見ておれ!」
やれやれじゃ。第一試合はトモヤの幼なじみと『勇者』の友人、どうなることやら。




